代謝性血管障害における肝由来XORと脂肪由来アディポネクチンの意義の解明
Project/Area Number |
21K16353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤島 裕也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10779789)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | キサンチン酸化還元酵素 / アディポネクチン / T-cadherin / 糖尿病 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 動脈硬化症 |
Outline of Research at the Start |
メタボリックシンドロームを背景とした糖尿病や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、それぞれ血管障害と強く関連することが知られているが、その分子メカニズムは十分に解明されていない。本研究では、NAFLD患者で血中での活性が上昇するキサンチン酸化還元酵素(XOR)と、内臓脂肪蓄積に伴い血中濃度が減少するアディポネクチンに注目し、これらの因子が血管障害に及ぼす影響を明らかとすることで、心血管疾患に対する治療応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)NAFLDにおける血中XOR活性の上昇と、その血管障害・動脈硬化性疾患への関与 これまでの検討により、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)病態において血中に過剰に逸脱した肝XORが、血管内皮障害や動脈硬化症の進展に関与し得ることを明らかとした。そこで、XOR阻害薬による心血管リスク低下への寄与を確認するため、共同研究により既存の介入臨床研究(BEYOND-UA study、Kario K et al. J Clin Hypertens 2021)のサブ解析を行った。ベースラインの肝機能による層別解析を行った結果、ALT≧30U/Lおよび≧40U/Lの群ではXOR阻害薬(topiroxostat)の投与により顕著な血中XOR活性の抑制が認められ、血管伸展性指標(CAVI)の改善が認められた(Biomedicines 2023)。 2)アディポネクチンのT-cadherinを介した糖尿病性細小血管障害への作用の解明 アディポネクチンはT-cadherinを介して大動脈や細動脈の血管内皮細胞および、腎尿細管周囲の血管周皮細胞(pericyte)に直接結合・集積することで、動脈硬化症や糖尿病性細小血管障害、急性尿細管障害に対して保護的に作用することを明らかとしてきた。そこで、それぞれの血管構成細胞のT-cadherinの役割を詳細に検討するため、T-cadherin floxマウスとVE-cadherinCreERT2またはPDGFRαCreERT2マウスと交配させることで、タモキシフェン誘導性に血管内皮細胞あるいはpericyte/組織幹細胞・特異的にT-cadherinを欠損させることが可能なマウスを樹立した。これらのマウスに8週齢の時点でタモキシフェンを5日間経口投与したところ、有意な血中アディポネクチン濃度の上昇と、各細胞特異的なアディポネクチン集積の消失が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題もなく、遺伝子改変マウスも樹立しつつあり、細胞実験も当初の計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)NAFLDにおける血中XOR活性の上昇と、その血管障害・動脈硬化性疾患への関与 今回BEYOND-UA study のサブ解析により有意な結果が得られたことから、高尿酸血症患者を対象として約2年間のXOR阻害薬(febuxostat)による治療を行った介入研究(PRIZE study, Tanaka A, PLoS Med 2020)においても、包括的な心血管アウトカム(頸動脈IMT、CAVI/baPWV、左室拡張能など)として同様の肝機能による層別解析を行い、肝障害合併症例におけるXOR阻害薬の有効性の評価を行っている。 2)アディポネクチンのT-cadherinを介した糖尿病性細小血管障害への作用の解明 現在樹立している血管内皮およびpericyte/組織幹細胞特異的なT-cadherin欠損マウスを用いて、アディポネクチンの動脈硬化症や糖尿病細小血管障害に対する保護作用あるいは血管透過性の維持にそれぞれの血管構成細胞どの程度寄与しているかを明らかにする。また、高分子量体の血中アディポネクチンが血管外に移行し、骨格筋や心筋細胞をはじめとした組織に到達し作用するためには、血管内皮細胞やpericyteといった血管構成細胞のT-caehrinを介したtrans endocytosisが重要な役割を担っている可能性がある。そこで、上記の組織特異的T-cadherin欠損マウスの解析や、transwellによる細胞実験を行うことにより検証する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Identification and clinical associations of three forms of circulating T-cadherin in human serum.2021
Author(s)
Fukuda S, Kita S, Miyashita K, Iioka M, Murai J, Nakamura T, Nishizawa H, Fujishima Y, Morinaga J, Oike Y, Maeda N, Shimomura I.
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Journal Title
J Clin Endocrinol Metab.
Volume: -
Issue: 5
Pages: 1333-1344
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Plasma xanthine oxidoreductase activity in Japanese patients with type 2 diabetes across hospitalized treatment.2021
Author(s)
Kawachi Y, Fujishima Y, Nishizawa H, Nagao H, Nakamura T, Akari S, Murase T, Taya N, Omori K, Miyake A, Fukuda S, Takahara M, Kita S, Katakami N, Maeda N, Shimomura I.
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Journal Title
J Diabetes Investig.
Volume: -
Issue: 8
Pages: 1512-1520
DOI
NAID
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Peer Reviewed / Open Access
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