Project/Area Number |
21K16354
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 誠 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50625697)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 軟骨無形成症 / 2型糖尿病 / 肥満 |
Outline of Research at the Start |
2型糖尿罹患の病態と肥満は密接に関連する。先天性骨疾患である軟骨無形成症では高頻度に肥満を合併するが、単純型肥満と比して耐糖能異常を来し難いとされる。本研究では、軟骨無形成症に特異的な肥満と耐糖能の関連メカニズムの解明を目的とする。軟骨無形成症患者由来iPS細胞から誘導した脂肪細胞を用いて、本症が脂肪細胞の分化や耐糖能に及ぼす影響を解析する。また、軟骨無形成症モデルマウスを用いて同様の検討を行う。更に、そのメカニズムへの関与が予想される代謝産物などの同定も目指す。本研究の成果は、特に肥満と関連した2型糖尿病に対する新たな治療戦略に寄与することが期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病は、本邦で社会・生活環境の変化に伴い罹患者数が増加しており、その予防および有効な治療法の開発は重大な課題である。2型糖尿病の病態と肥満には密接な関わりがあり、肥大した脂肪組織機能の異常によるインスリン抵抗性の惹起が耐糖能異常の機序として知られる。軟骨無形成症は、著明な四肢短縮性低身長や特徴的な顔貌を呈する骨系統疾患であり、線維芽細胞増殖因子受容体3型(以下FGFR3)の遺伝子異常が原因となる。この変異FGFR3は恒常的に活性化された状態にあり、その下流の細胞内シグナル伝達分子の活性化を引き起こす。肥満は軟骨無形成症でよく見られる合併症として知られている一方で、軟骨無形成症では2型糖尿病の合併が少なく、脂肪分布や脂肪細胞に特異性があり、インスリン感受性が維持されるという報告がある。そのメカニズムは不明であるが、2型糖尿病の病態において、FGFR3シグナルが脂肪細胞や脂肪組織の分化や機能に関わることで、インスリン感受性ひいては耐糖能に影響している機序が示唆され、その解明は特に肥満と関連した2型糖尿病に対する未知の病態の解明および新たな治療戦略の開発に寄与することが期待できると考えられた。 令和4年度は、2系統のマウスの交配による軟骨無形成症モデルマウス作成を開始した。すなわち、Fgfr3機能亢進型変異を有するもCre蛋白の作用がないと機能喪失状態であるマウスと、全身にCre蛋白を発現するマウスを、それぞれ凍結胚から入手し、genotyping評価と安定した維持を確立した。令和4年度中は合計19匹の仔マウスを得たが、遺伝子型でACHモデルマウスと確定できた生誕マウスは1匹だけであり、それも著しい低身長と歯牙変形のため日齢24日で死亡したため、計測や脂肪量の評価は行えていない。今後はモデルマウス確保の効率を高めること、細胞採取・培養を開始することを進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスにより2020年3月頃からの断続的に可及的に不急の実験を控える必要が生じたこと、および大阪大学医学部動物実験施設改修の大幅な遅れによるモデルマウス導入が遅れていたことが影響している。
|
Strategy for Future Research Activity |
軟骨無形成症モデルマウスについて、その同胞(機能亢進型変異を有するが、Cre蛋白の作用がないと機能喪失状態であるFGFR3遺伝子を有するマウス、および全身にCre蛋白を発現するマウス)を比較のコントロールマウスとして耐糖能を解析していく。すなわち、十分な匹数を得られたのち、モデルマウスおよびコントロールマウスのそれぞれで腹腔内ブドウ糖およびインスリン負荷試験を行い、その耐糖能の特性を評価する。更に、FGFRシグナル亢進と耐糖能の関連を確認するため、本症モデルマウスおよび野生型マウスへのFGFRシグナル阻害薬(FGFアプタマー等)の投与を行い、負荷試験で耐糖能を評価する。 また、並行して画像解析や脂肪採取・計測を行い、脂肪組織の形成や分布へのFGFR3シグナル亢進の影響を明らかにする。更に、マウスの骨髄または鼠径部脂肪組織から、骨髄間葉系細胞または間質血管細胞群(SVF: stromal vascular fraction)をそれぞれ単離し、脂肪分化や機能を比較検討する。
|