膵β細胞におけるユビキチン様修飾因子UFM1の役割の解析
Project/Area Number |
21K16373
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鵜澤 博嗣 順天堂大学, 医学部, 助教 (50848174)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | UFM1 / UFMylation / 膵β細胞 / ERストレス / インスリン分泌 / 糖尿病 / UFMylaton |
Outline of Research at the Start |
UFMylationはユビキチン様修飾因子 (UFM1) によるタンパク質修飾である。UFMylationと小胞体 (ER) ストレス応答やオートファジーの関係が注目される一方で、その生理的意義は未解明な点が多い。本研究では、膵β細胞特異的なUFM1ノックアウトマウスを用いた解析を進めることで、膵β細胞においてUFMylaitonが担う役割を解明し、糖尿病に対する新規治療標的の開拓を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、2型糖尿病の発症・進展を規定する膵β細胞機能不全に着目し、これまで研究を続けてきた。インスリン抵抗性は2型糖尿病の発症のトリガーとなる重要な病態であり、その増大は膵β細胞のインスリン合成を顕著に増加させることにより、ミスフォールドされたインスリン分子による小胞体 (ER) ストレスを惹起する。したがって、ERストレスに対して適切な応答を欠く場合には膵β細胞の恒常性が障害され、その機能不全により個体レベルでは糖尿病の発症に至ることが想定される。 ユビキチン様修飾因子 UFM1 によるタンパク翻訳後修飾であるUFMylationは、ER ストレス応答やオートファジーと関係することが近年注目されている一方で、その生理的意義は未解明な点が多い。UFMylationはERストレス応答の制御に関与することが報告されており、膵β細胞の機能維持においても重要な役割を果たすことが想定されるが、この機構と糖代謝恒常性との関連を示した報告はほとんどなかった。我々が糖尿病モデルマウスの膵島を用いて検討を行ったところ、糖尿病状態では膵島内タンパクのUFM化が増加することが明らかになった。そのため、本研究では主に膵β細胞特異的UFM1 ノックアウト (UFM1-βKO) マウスを用いた解析により、膵β細胞においてUFMylaitonが担う役割を解明することを目的とした。これまでに、タモキシフェン投与によって膵β細胞特異的にUFM1を欠損するUFM1-βKOマウスを作製し、このマウスは経時的に耐糖能が増悪することを明らかにしてきた。膵臓の組織学的検討を行ったところ、UFM1-βKOマウスでは膵β細胞容積が減少しTUNEL陽性細胞が増加しており、一方でグルカゴン陽性細胞の増加を認めた。また、電子顕微鏡による観察では小胞体の形態異常が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従ってUFM1-βKOマウスの表現型解析を進めている。UFM1-βKOマウスにおける膵組織に関して、前述のように特徴的な所見を得ることができた。これらの初見に基づき、UFM1-KO マウスの耐糖能悪化には膵β細胞容積の減少が関与しており、その原因として膵β細胞死および分化転換が関与している可能性を示した。本研究を通じて、UFMylationが細胞死や脱分化の抑制を通じて耐糖能の維持に寄与しているという生理的な意義を明らかにすることができ、本研究課題は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) UFM1-βKOマウスを用いたin vivoでの検討 ① UFM1 KO 膵β細胞の組織学的評価: UFM1-βKOマウスでは膵β細胞容積の減少を認めており、その原因としてβ細胞の脱分化および分化転換の影響を考える。分化転換の関与を検証するため Rosa26 mTmG; Ufm1f/f; Ins1-CreERマウスを用いた細胞系譜解析を計画している。このマウスではタモキシフェン投与によって 膵β細胞特異的に緑色単独蛍光を呈しかつUFM1が欠損するため、グルカゴンおよびソマトスタチンの免疫染色を行うことでUFM1欠損に伴う膵β細胞の分化転換の有無を明らかにできる。② UFM1 KO膵β細胞の遺伝子発現評価: 上述のRosa26 mTmG; Ufm1f/f; Ins1-CreERマウスから膵島を採取し、フローサイトメトリーを行うことでUFM1欠損膵β細胞を単離可能である。単離した細胞を用いてシングルセル解析を実施し、上記の分化転換の過程をUFM1欠損によって生じる遺伝子発現変化の観点から明らかにする。(2)膵β細胞株を用いた分子生物学的検討 ① UFM1によるERストレス制御機構の解析: UFM1-KO INS1E細胞にHA-UFM1を発現させた後、抗HA抗体を用いた免疫沈降および沈降産物に対する質量分析を行い、UFMylationを受けるタンパクを網羅的に同定する。特定された分子についても欠損細胞株を作成し、ERストレス応答の変化を検証する。② UFM1によるオートファジーの解析: UFM1を欠損した細胞でERファジーレポーターであるLAMP4-EGFP-mCherry を発現させ、mCherry 単独陽性の領域を定量することで、UFMylation 欠損によって生じるERファジーの変化を検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)