Project/Area Number |
21K16400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小林 慎一朗 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80623363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 骨格筋幹細胞 / 骨髄由来幹細胞 / 遅発性消化管穿孔モデル / 間葉系幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
消化器がん治療(手術,放射線,抗がん剤)の高度化に伴い、従来の治療では治癒困難な多くの難治性消化管合併障害の併発が認められている。食道内視鏡的粘膜下層剥離術後狭窄症に対して,自家細胞(口腔粘膜)を用いての培養細胞シート作成の臨床研究を実施し,有効性と安全性を確認してきた。また,難治性消化管穿孔予防の筋層補強に関して自家筋芽細胞は自家筋組織採取,培養が必要であり,侵襲性や培養効率低下とともに,時間的、経済的コスト等の課題が多い。本研究では自家細胞の代わりに臍帯血由来幹細胞を細胞源とし,in vitroでの筋芽細胞への分化誘導の培養技術を開発を目的とした基礎研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
消化器がん治療(手術、放射線、抗がん剤)の高度化に伴い、従来の治療では治癒困難な多くの難治性消化管合併障害の併発が認められている。実臨床における縫合不全の問題点について検証を行い、予測法を開発(Kobayashi et al. Langenbecks Arch Surg. 2023)した。また、難治性消化管穿孔予防の筋層補強に関して自家筋芽細胞を用いた培養技術の確立および消化管移植効果が確認されつつある(Yamaguchi S, Kobayashi S, et al. Regen Ther. 2022, Yamaguchi S, Kobayashi S, et al. Regen Ther. 2022)。しかし、現在の細胞移植には自家筋組織採取、培養が必要であり、侵襲性や培養効率低下とともに時間的経済的コスト等の課題が多い。本年度の研究では、骨髄幹細胞を細胞源としin vitroでの筋芽細胞への分化誘導の培養技術を開発し、消化管移植における筋層補強への有効性を目的とした基礎研究を行うことが目標である。骨髄由来幹細胞からPax7、 MyoD、Myf5陽性の骨格筋幹細胞が誘導を行った。筋前駆細胞にはリガンド蛋白であるjagged-1を添加すると増殖可能な筋芽細胞となる。本研究において臍帯由来幹細胞から同様な手法を用いて分化誘導を行い、臍帯由来誘導筋芽細胞培養法を確立させる。 筋芽細胞から筋管構造への分化誘導条件については確立しており、効率的に筋芽細胞まで分化させる必要がある。 遅発性消化管穿孔モデルに関しては、ラットにて作成可能であった。膵液瘻モデルとも合わせて作成して、誘導筋芽細胞シートおよび筋芽細胞シートの移植モデルを確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実臨床における縫合不全の問題点について検証を行い、予測法を開発(Kobayashi et al. Langenbecks Arch Surg. 2023)した。 令和4年度は、細胞培養段階の骨髄由来幹細胞(MSC)から筋芽細胞へ分化誘導を行う実験において分化誘導を行うことができた。具体的に、PAX7陰性MSCからPAX7陽性細胞の発現を確認できており、PCRにおいても筋特異的マーカーの上昇を確認できた。 当初、遺伝子導入を検討していたが、化学誘導での分化誘導が可能となったため、同培養系を用いて、組織体の構築が可能か接着分子を検討したが、明らかな差はなく、筋芽細胞シートと同様の強度を保てる可能性がある。 また筋層欠損モデル作成に成功しており、筋芽細胞シートを用いた予備実験でも移植が成功していることが確認できた。十二指腸部への移植では筋芽細胞シート移植により、血管新生が誘導されている可能性がある事が証明された(Yamaguchi S, Kobayashi S, Regen Ther. 2022)。食道穿孔モデルに関しては、致死率が高く、実験系として詳細な細胞挙動が分からない可能性もある。今後分化誘導筋芽細胞シートを用いた移植実験を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
培養条件を再検討し、より効率的な分化誘導を行う方針とした。分化誘導において、より効率を得ることが望ましく、現時点では効率は約10-20%のため、より効率化を図るためにセルソーティングを検討している。筋芽細胞由来エクソソームの使用も検討している。最終的な移植する細胞シートの高分化能、高強度、高サイトカイン産生が目標であり、NGSを用いてより詳細な検証を行う。またプライマリーからの培養の際に細胞の質のばらつきがあるため、より均一な条件検討を行うために、細胞バンクからの購入を行う方針とした。また動物モデルに関しては、順調に検討が進んでおり、評価可能なモデル作成ができた。条件検討を検証するために東京女子医科大学または大阪大学に相談を行う予定である。
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