Project/Area Number |
21K16406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須田 一人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60784725)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 胆管オルガノイド / ラット / 総胆管結紮 / 肝線維症 / 脾臓注入モデル / 肝線維化 / オルガノイド培養 / 胆管上皮 / 脾臓内細胞注入技術 / 肝内生着 |
Outline of Research at the Start |
胆道閉鎖症(BA)における肝門部空腸吻合術の成績向上に伴い患児の生命予後および肝機能予後は改善したが、中には術後に黄疸が改善せず肝移植が適応となる事例がある。これまで、培養細胞移植で肝障害治療を試みる基礎研究報告はあるものの、肝内胆管上皮障害を主とした病態モデルに対して胆管上皮置換を狙いとした移植技術による臨床的効果の報告はない。近年、組織上皮をオルガノイドとして培養する技術が進んできた。本研究では、分化した胆管上皮形質を示すオルガノイド培養を確立し、それらを経脾臓的に肝内移植することで総胆管結紮BAモデルの胆管上皮障害や黄疸が改善するかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新生児・乳児に発症する重症胆汁うっ滞疾患である胆道閉鎖症においては、標準術式である肝門部空腸吻合術の成績向上にもかかわらず黄疸が完全に消失しない症例が2-3割ほど存在し、肝移植が適応となることもある。しかしながら、ドナー不足など重大な課題が未解決であり、自己肝機能を向上させるような新規治療戦略の開発が必要と考えられる。そこで本研究は、動物モデルを利用して胆道閉鎖症に対する新規治療戦略を見いだすことを狙いとし、①胆管上皮に純化したラットオルガノイド培養の確立を目指し、②総胆管結紮による閉塞性黄疸モデルラット脾臓に移植することを計画する。これら技術を確立できれば、生命予後・胆管上皮の組織形態・分子発現変動の評価をおこない、その治療効果を明らかにする予定である。 本年度は、②を進めるための予備実験として、既報にしたがってマウス総胆管を結紮して閉塞性黄疸を呈するモデル作成に取り組んだ。術中操作や術後の生存率などが安定し、その後解析した結果では血液学的・組織学的に既報とも矛盾ない良好な閉塞性黄疸モデルが確立できた。結果的には、術後の安定した生存率も確認できたことで、今後の解析のための個体確保は問題ないことが確認された。 今後は、前年度までに取り組んだマウス胆管オルガノイド培養をもとに、培養方法・総胆管結紮モデルともにラットの取り扱いへ移行し、スムーズに移植モデル作成を確立できるよう進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、ラットの閉塞性黄疸モデル確立に先立ってマウス総胆管結紮による閉塞性黄疸モデルの作成を開始した。当初、門脈損傷による出血死や、それ以外で術後早期に死亡する個体も散見され原因不明であったが、術終了時の抗生剤投与内容を広域なものに変更したところ術後の生存率は落ち着いた。 既報と類似し、閉塞性黄疸に伴う直接型優位のビリルビン値上昇や肝酵素値上昇が血液生化学的に確認された。また、術後一週間から組織学的にもマッソントリクローム染色で線維化所見が徐々に表れ、術後二週間までの観察では既報と類似して進行性に線維化が強くなる所見が確認された。最終的に、生存率は術後二週であっても問題ないこともわかった。 まだラットの組織・細胞を用いたオルガノイド培養実験や総胆管結紮モデル作成にとりかかれていないため、進徳状況区分としては「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021・2022年度に進めてきた予備実験をもとに、2023年度では予定していた実験系を大きく進める。ラット由来胆管細胞オルガノイド培養法の確立を目指して既報に沿って胆管細胞の単離条件などを設定する予定である。 続いて、総胆管結紮による閉塞性黄疸モデルラット作成と、そのモデルに対する胆管上皮移植方法の最適化を目指す。これまでに胆道閉鎖症の病態を完全に形容するモデルは確立されていないものの、開腹下に総胆管を結紮することで胆汁うっ滞性肝硬変を誘導する閉塞性黄疸ラットモデルを既報に準じて作成する。血液学的・組織学的肝上皮細胞障害や肝組織線維化の程度を評価し、長期観察死亡率も確認する。 そして、オルガノイド細胞の移植に先立ってラット脾臓内細胞注入法を立ち上げる。すなわち応募者が独自に開発し、高効率に肝内細胞生着が得られる脾臓内細胞注入技術が、胆道系細胞でも同様に有効であるかを、ラット正常胆管性質をもつ肝上皮細胞株(WB-344)を用いて検討する。閉塞性黄疸モデルラットに対して、混濁液に含む胆管細胞株の数、密度、および添加する細胞外基質に関する条件を検討する。
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