Project/Area Number |
21K16415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Showa University (2023) Tokyo Medical and Dental University (2021-2022) |
Principal Investigator |
下川 雅弘 昭和大学, 医学部, 講師 (80898312)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | β-catenin / 抗腫瘍免疫 / 免疫回避 / サイトカイン / 樹状細胞 / 肝細胞癌 / 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント |
Outline of Research at the Start |
肝細胞癌は我が国の主要な消化器癌の一つであるが、進行癌では外科切除困難の症例も多いほか、治療後の再発頻度も高く、今日なお予後不良の疾患である。近年、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療が開発されているが、β-catenin活性化変異型では免疫チェックポイント阻害薬が奏功しないことが明らかになりつつある。 本研究では、マウス肝癌細胞を用いた正常免疫条件での腫瘍免疫実験モデルを構築しており、Cas9を用いたexon skipによるCtnnb1活性化変異の導入、Cas13dを用いた選択的RNA編集によるCtnnb1変異型特異的な抑制により、β-cateninによる免疫回避を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究では、Cas9による遺伝子編集を継続し、当研究室で樹立したマウスHCC細胞株(3H3, HrasQ61L)にPten-KOを行い(3H3-P細胞)、これにCtnnb1 exon3-skipping (3H3-PC3s細胞)およびCtnnb1-4A(constitutive active)を導入(3H3-PC4a細胞)しβ-catenin高発現細胞として使用した。また、Hepa1-6細胞株はもともとCtnnb1 exon3 skipping変異を有しβ-catenin高発現であり、これにexon2/4型mRNAの選択的ノックダウンを行なったHepa1-6-Cd細胞をβ-catenin低発現細胞として使用した。 上記の3H3-P細胞、3H3-PCs/PC4a細胞、Hepa1-6細胞、Hepa1-6-Cd細胞を用いてin vitro実験系で抗腫瘍免疫細胞との相互作用について検討を継続した。マウス樹状細胞を用いて、各腫瘍細胞との共培養および培養上清の添加による免疫チェックポイント分子発現の変化を評価したが、FCM・mRNA発現共に有意な結果が得られなかった。 また、前年度に引き続き、in vivo実験系としてBL6マウスへの皮下移植を継続したが、β-catenin過剰発現細胞あるいは前年度までに同定したサイトカイン・ケモカインの発現を編集した細胞においても生着や増大が得られず、免疫抑制的な腫瘍微小環境形成や、腫瘍浸潤性の免疫細胞についての評価が困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、Ptenノックアウトに引き続きβ-cateninのノックダウンや過剰発現を行なってマウス皮下移植や免疫細胞との共培養などの実験を継続したが、標的遺伝子操作によらず生着性が低下したり、期待される樹状細胞の機能変化が得られないなど、腫瘍細胞の抗原性の問題が解決されなかった。複数の遺伝子操作を経てvitroやvivoの実験に供されるデザインのため、止むを得ずCas9持続発現による遺伝子操作を継続しているが、ベクターの再設計など研究デザインの変更を含め検討を続けており、進捗に遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
3H3細胞のBL6マウスへの生着性改善のために追加導入する遺伝子変異の選択肢として、アポトーシス回避による比較的穏やかな腫瘍増殖能獲得を期待してPten KDを選択したが、期待される生着性改善が得られず、また得られる腫瘍数が少ないことから腫瘍免疫細胞の評価について再現性の担保が困難であった。改善策として、肝細胞癌のcommon mutationとして知られるTERT あるいはP53、MYCいずれかのKD追加により増殖能獲得が期待され、安定した解析が可能になると期待される。
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