Project/Area Number |
21K16486
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
奥野 将之 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10844011)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 肝細胞癌 / 血管新生 |
Outline of Research at the Start |
HCCに対しては血管新生阻害を作用機序とする分子標的治療薬の長期使用後の耐性獲得の機序についてvessel co-optionというメカニズムが報告されている。Vessel co-optionとは癌細胞が異常な腫瘍血管を新生するのではなく、元来組織内に存在する血管構造を利用して腫瘍の血管構築を行うメカニズムである。本研究では、HCC患者におけるvessel co-optionの頻度や血管新生阻害薬およびこれと免疫チェックポイント阻害薬との併用療法への不応性・耐性獲得との関連、予後との関連について、外科的切除標本およびPDX modelを用いて検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌におけるvessel co-optionの実態の解明として、無治療の初発HCCに対して肝切除術を受けた患者の手術検体の腫瘍部のHE染色標本、および血管内皮細胞マーカーを用いた免疫染色を行った。これを共同研究機関に送付して病理学的評価を行い、それぞれの症例における腫瘍の増殖パターンをvessel cooptionに基づいて分類した。この結果、肝細胞癌におけるvessel co-optionの頻度は約25%であり、血管新生の増殖パターン(angiogenesis)が約75%であった。 また、肝切除後を行った後に再発し、ソラフェニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ラムシルマブといった血管新生阻害を作用機序とする薬剤の投与を受けた患者67例を解析したところ、全身化学療法開始後の全生存期間はvessel co-option群がangiogenesis群と比較して有意に不良であった。(中央値:11.1か月 vs.25.5か月、p=0.011)。一方で無増悪生存期間は両群間で有意差を認めなかった(中央値:4.5か月 vs. 4.8か月、p=0.821)。全身化学療法中の最良治療効果判定において判定可能な61例のうちprogressive diseaseであった症例はvessel co-option群で7例(50%)、angiogenesis群で20例(42.5%)と両群間で有意差を認めなかった(p=0.62)。 上記2群について解析可能な標本が存在する症例を用いてRNA sequenceを行った。両軍間において複数の遺伝子発現に差が認められたことから、関連する因子について現在検討中である。 また、本研究の対象症例について分子標的治療薬投与後に切除を受けた症例の予後因子についての検討を行った。その結果、レンバチニブ投与を受けた症例でその後切除が可能であった症例は非切除群と比較して優位に無増悪生存期間が良好であった。また、治療期間中の腫瘍マーカー(AFP)の低下が予後良好因子であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の手術検体を用いて標本を作製し、増殖パターンを分類すること、および肝切除後に再発した症例の予後と増殖パターンとの関連についての検討は予定通り行うことができた。RNA sequenceでも複数の遺伝子発現について両群間での差が確認された。 血管新生阻害薬の投与を受けた後に肝切除を行った症例は現時点では少数であり、今後の症例蓄積を待つ必要がある。 また、本研究の対象症例について臨床的検討を行い、その結果を論文報告した。
|
Strategy for Future Research Activity |
既存の手術検体を用いて標本を作製し、増殖パターンを分類すること、および肝切除後に再発した症例の予後と増殖パターンとの関連についての検討は予定通り行うことができた。 また、血管新生阻害薬の投与を受けた後に肝切除を行った症例は現時点では少数であり、今後の症例蓄積を待つ必要がある。 今後はpatient-derived xenograftモデルを用いてin vivoでの検討を行う予定である。
|