Project/Area Number |
21K16497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 純子 岡山大学, 大学病院, 助教 (60894970)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | ファロー四徴症 / 右室流出路狭窄 / 予後予測マーカー |
Outline of Research at the Start |
ファロー四徴症は最も頻度の高いチアノーゼ性先天性心疾患であり、乳幼児期の心臓手術が不可欠である。術後長期間を経て生じうる右心不全は患者の予後と生活の質を大きく低下させることがあり、本疾患での課題となっている。ファロー四徴症の治療方針は施設間で統一されておらず、最適な治療法の選択と予後改善には病気の発生メカニズムに基づく術後の経過を予測するマーカーの開発が必要である。 我々は先天性心疾患患者から心臓組織を採取し、細胞の精製・培養・解析する技術を確立した。この技術を利用し遺伝子解析を行い本疾患の分子生物学的病態発生機序の解明を試みる。また臨床所見と比較検討し診療に有用な予後予測マーカーの開発に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
ファロー四徴症は最も発生頻度の高いチアノーゼ性先天性心疾患である。本疾患の予後は右室流出路狭窄および逆流から生じる右心不全に左右され、個々の症例で経過は大きく異なる。しかし本疾患は未だ原因不明であり治療法は確立されておらず、本邦の指定難病とされている。特に、遠隔期の問題である右心不全とその治療法については、多くが未知の状態である。 本研究では、ファロー四徴症の病態の中心となる右室流出路狭窄について、その病態発生メカニズムの解明および予後を予測するマーカーの開発を行う。これまで、我々は先天性心疾患患者から手術中に心臓組織検体を採取し、その組織検体の解析および心臓前駆細胞(Cardiac progenitor cells: CPCs)を精製・分離・培養し解析する技術を確立してきた。これまでに培った技術を用いて、本研究では当院で心臓手術を施行するファロー四徴症および類縁疾患患者から手術中に心臓組織検体を採取し、組織検体の遺伝子変異および遺伝子発現解析を行い、またCPCsを精製・分離・培養を行い解析した。 本研究は患者検体を使用する研究であり、岡山大学病院倫理委員会に研究計画書を提出し、承認を得てから研究を開始した。そして、当院で当該手術を行う患者に対し研究について承認された様式に従って十分な説明をし、同意を得てから手術中に心臓組織検体の採取を行った。患者の個人情報は匿名化して管理し、その取り扱いには十分に配慮を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度の研究実績は、岡山大学病院倫理委員会の所定の様式に従い研究同意を得たうえで、患者心臓組織検体の採取および細胞培養を開始した。検体は少しずつ集まってきているが、COVID-19に伴う手術数減少などもあり、当初の想定よりも緩徐に検体を採取している。
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Strategy for Future Research Activity |
手術患者の出現に合わせた心臓組織検体採取となるため研究の進捗は手術待機患者の状況に左右される側面はあるが、引き続き、確実な検体取り扱いおよび細胞培養手技により、頂いた患者検体を1例1例確実に研究使用できる状態にすることに努めていく。できるだけ早急に遺伝子解析を開始しデータを積み上げていくことで、研究段階の早いうちから候補遺伝子およびその発現異常を検出できるよう努めていく。
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