Project/Area Number |
21K16583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
干野 晃嗣 北海道大学, 大学病院, 講師 (40802434)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 敗血症関連脳症 / 敗血症 / 海馬 / シナプス可塑性 / 敗血症関連脳障害 / 運動 |
Outline of Research at the Start |
敗血症罹患後、長期にわたり認知機能障害を来すことが知られており、敗血症関連脳障害と呼ばれている。その機序は、神経炎症を主体とした一連の反応であることが明らかとなってきたが、未だ有効な予防手段はない。本研究では、敗血症モデルマウスを用いて早期運動療法が敗血症関連脳障害を予防しうるか、海馬シナプス伝達にどのような影響を与えるかを解明することを目的とする。方法として、敗血症マウスの海馬スライスを用いた電気生理学的な検討や海馬における種々のタンパク質の測定、行動学試験による学習記憶障害の評価を行う予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の実験では、盲腸結紮穿孔(cecal ligation and puncture: CLP)により敗血症を誘導した群(CLP群)と偽手術を施したsham群のそれぞれにおいて、手術翌日よりトレッドミルによる強制運動を行った群(exercise群)と行わない群(sedentary群)に分け、海馬シナプス可塑性の変化について検討したところ、CLP+exercise群では敗血症により低下していたシナプス長期増強(LTP)が回復していることが認められた。令和3年度の実験において、CLP群では海馬BDNFが低下しており、運動により増加することが示されていたため、機序の検討としてBDNFの受容体拮抗薬である、ANA-12を生体投与することで、上記の回復効果が失われるかを検討した。CLP+exercise+ANA-12群、CLP+exercise+vehicle群、CLP+sedentary+ANA-12群の3群において同様に海馬LTPを測定したところ、CLP+exercise+ANA-12群ではCLP+exercise+vehicle群と比較して有意に海馬LTPが低下していることが示され、CLP+exercise+ANA-12群とCLP+sedentary+ANA-12群の間に有意差はなかった。したがって、令和3-5年度の一連の実験において、運動による敗血症マウス海馬LTPの改善にTrk-B受容体を介した経路が関与していることが示された。 当初、運動強度を変化させて同様にLTPを測定する実験を令和5年度に予定していたが、年度途中で実験台の調整が必要となる期間が生じたため完了できず、補助期間延長申請を行い令和6年度に実験を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に実験台の調整期間が必要となったため補助期間延長申請を行ったが、実験自体は概ね順調に進行している。 骨子となる実験は前年度で完了したため、令和6年度は実験結果の補強実験と成果報告を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は強制運動の強度を変化させた実験を行う。 また、成果報告として学会発表や論文発表を行う予定である。
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