くも膜下出血後の早期脳損傷における上皮成長因子受容体の役割の解明
Project/Area Number |
21K16605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中野 芙美 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (50850731)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | Early Brain Injury / くも膜下出血 / 早期脳損傷 / 上皮成長因子受容体 / 神経細胞アポトーシス / マウスモデル |
Outline of Research at the Start |
くも膜下出血(SAH)は予後不良な疾患であり、救命し得ても遅発性神経脱落症状が認められ不良な転帰を辿ることが多い。遅発性脳障害の原因として脳血管攣縮及び早期脳損傷(EBI)が考えられている。動物モデルを用いたEBIに関わる様々な機序が報告されているが全貌は解明されていない。研究代表者は以前よりSAH後の病態に様々な受容体やそのリガンドが関与することを報告してきた。その中で上皮成長因子受容体(EGFR)に着目し、EGFRがEBIに関与するという仮説を立てた。本研究ではマウスSAHモデルを用いてEGFRがSAH後のEBIの中でも特に神経細胞死に関与するかどうかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画通り実験を遂行した。 オスC57BL/6マウスを用い血管内穿孔くも膜下出血(SAH)モデル及びshamモデルを作成した。上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤投与によりSAHモデル作成24時間後の神経所見及び脳浮腫の改善、神経細胞アポトーシス数の抑制、SAH72時間後の神経所見の改善及び神経細胞アポトーシス数の抑制が見られることを確認した。 次に、SAH後のEGFR活性化の下流因子の検索を行った。アポトーシスを起こしている神経細胞におけるterminal deoxynucleotidyl transferase-mediated d-UTP nick-end labeling(TUNEL)法及びcleaved-caspase 3の発現、EGFR/Nuclear factor-kappa B (NFkB)-inducing kinase/NFkB経路の発現をウエスタンブロット法及び免疫染色で確認した。NFkBのisoformのうち、phosphorylated-p65は主に変性神経細胞に発現していた。これらのことより、SAH後の神経細胞アポトーシスにおけるEGFR/NFkB-inducing kinase/NFkB経路の関与が示唆された。 これらの実験結果を論文にまとめStroke誌に投稿し受理された。 さらにSAH後の病態において、EGFRのリガンドの一つであるマトリセル蛋白テネイシンC(TNC)に着目し研究を進めた。TNCはSAH動物モデルにおけるvasospasmやearly brain injuryへの関与、SAH患者髄液中での濃度上昇が報告されている。こちらの結果も今後論文投稿を予定している。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)