粗ぞう性嗄声における音響学的多様性とその発声機構の解明
Project/Area Number |
21K16842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細川 清人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60625896)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 粗ぞう性嗄声 / 喉頭高速度撮影 / 電気声門図 / 呼気流 / 低調波 / 2段階ケプストラム分析 / 振幅包絡 / biphonation / 音声障害 / 高速度撮影 / 聴覚心理的評価 |
Outline of Research at the Start |
音声障害患者において粗ぞう性嗄声が生じるメカニズムには、声帯および周囲の振動様式や声の低さなどの要因が複合的に関連しており、それらと発声時の声帯振動や呼気流との関連性は未だ解明されていない。 本研究では、粗ぞう性嗄声を示する音声波形の音響学的特徴を抽出・分類し、各分類における声帯振動および声門上の動態の特徴を同定する。さらに、粗ぞう性嗄声発声時の呼気流の経時的変化を計測して粗ぞう性嗄声における声帯振動の特徴と結果的に生じる呼気流および音声波形の特徴との因果関係を立証することにより、発声の生理学的メカニズムに基づいた粗ぞう性嗄声の新規分類法を確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、粗ぞう性嗄声を認める症例において音声波形の録音・喉頭高速度撮影・電気声門図記録および呼気流の測定を行うことにより、音声波形の特徴と声帯振動や呼気流との関連を明確にして、粗ぞう性嗄声が生じるメカニズムを同定することを目的としている。粗ぞう性嗄声が生じるメカニズムとして①低調波の混入②喉頭雑音③低ピッチ④波形の途切れおよび⑤振幅包絡の周期的変動を候補として考えている。 2021年度は、4月に科研費交付が決定して7月末から実際の被験者の組み入れが開始された。年度末までに、20例の粗ぞう性嗄声例および14例の健康人のデータを収集することができた。全体で130例/36ヶ月での症例収集を目標としており、本年度は34例/8ヶ月であるため適正な症例組み入れペースと考える。しかしながら、症例がある程度集まるまでは実際の検討を行うことが困難であるため、本年度は既存の音声波形データについて解析を進めた。特に①低調波の混入についてはAwanらの2段階ケプストラム分析を用いた方法の再現性を評価し、粗ぞう性嗄声の程度との相関性をさらに改善させる方法を開発することができた(学会報告)。また、⑤振幅包絡の周期的変動において、動物の発声メカニズムで見られるbiphonation(複数音源による発声)と同等であるという仮説から、一部の症例において喉頭高速度撮影動画での声帯以外部位の周期的振動を同定し、それらの周波数の一致を認めたことから、さらに研究が進むことを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、4月に科研費交付が決定して7月末から実際の被験者の組み入れが開始された。年度末までに、20例の粗ぞう性嗄声例および14例の健康人のデータを収集することができた。全体で130例/36ヶ月での症例収集を目標としており、本年度は34例/8ヶ月であるため適正な症例組み入れペースと考える。 また、既存の音声データを用いて、粗ぞう性嗄声の音声波形の一つとして考えられる①低調波の混入において、音響学的特徴量と粗ぞう性の知覚についての相関性を示すことができた点、および⑤振幅包絡の周期的変動が生じるメカニズムについて一部の症例から新たな知見が得られた点から概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は実質8ヶ月で34例のデータを集めることができたが、粗ぞう性嗄声例は20例であり、粗ぞう性嗄声症例の組み入れペースを上げる必要がある。また、フリーソフトであるImageJを用いて動画解析を行っているが機能的に限界があるため、動画解析についての環境整備を行う必要がある。呼気流波形の解析については未着手であり、基本的な評価から開始する必要がある。 また、検査時の苦痛の観点から、健康人における模擬的な嗄声の同時録音については現時点では対応していないため、本年度以降で取り組む必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)