網膜前増殖組織の牽引力の差異を生む分子生物学的背景の解明
Project/Area Number |
21K16872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
的場 亮 岡山大学, 大学病院, 助教 (90894551)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 黄斑上膜 / 網膜牽引 / 光干渉断層計 / α平滑筋アクチン / 黄斑前膜 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、各種黄斑疾患の病態を解明することで、新たな手術方法の開発、手術適応の策定、創薬の基盤となる成果を得ることを目的とする。具体的な研究手法としては、手術適応となった各種黄斑疾患について光干渉断層計を用いて網膜皺襞を可視化し、網膜皺襞の深さから網膜牽引力を定量する。そして、手術時に採取した網膜前増殖組織のタンパクや遺伝子発現を調べ、網膜牽引力との相関関係を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
特発性黄斑上膜症例において、硝子体手術中に採取した膜組織の解析を試みた。この膜組織は生体からごく微量しか採取できない検体であるため、まずは安定したデータを得るための解析手法の最適化を試みた。すなわち、検体採取および保存の方法、ホモジナイズなど検体の処理方法、DNAやRNAの精製に使用するキットの選定など、実験のあらゆる工程について試行錯誤を行った。その結果、安定してRNAの抽出および定量PCRの結果を得ることが可能となった。 特発性黄斑上膜の術中に採取した膜組織について、α平滑筋アクチンの遺伝子発現を定量評価した。さらに、視力や歪視(ものが歪んで見える症状)などの視機能や光干渉断層計(網膜の断層写真)から得られるパラメータなど、臨床データとの関連性を検討した。光干渉断層計を用いたパラメータとしては、網膜皺襞を可視化しその最大の深さを測定することで(最大網膜皺襞深度)、黄斑上膜が網膜を牽引する力の指標として用いた。その結果、最大網膜皺襞深度とα平滑筋アクチンの遺伝子発現量との間に正の相関関係を認めた。これは、臨床的に測定可能な網膜牽引力の指標である網膜皺襞の最大深度を分子生物学的に裏付ける有益なデータであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体の解析について、RT-PCRにより定量的に遺伝子発現を解析することを試みた。しかし、採取できる検体が微量であることから、最適な検体の保存方法、RNAの抽出処理方法を見出すための予備実験に想定よりも多くの時間と検体数を要した。 臨床検体の採取に関して、特に黄斑偽円孔、分層黄斑円孔などは手術症例が少なく、十分な数の検体が採取できていない。各種黄斑疾患の病態解明のためにはそれぞれの疾患の十分な数の検体を用いた解析が必要であるため、進捗としてはやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的に推定される網膜牽引力とα平滑筋アクチンの発現量との関連が明らかとなり、一定の結果を得ることができた。しかし、現状では限られた症例数での解析であるため、今後さらに症例数を増やして解析し、統計学的な有意性の検討および視機能などのその他のパラメータとの関連性も検討予定である。また、α平滑筋アクチン以外の因子との関連も調べることができれば、より深い病態の理解につながるため、追加の解析を検討している。さらに、網膜剥離術後の黄斑上膜、糖尿病網膜症に合併する黄斑上膜など、異なる疾患を背景に持つ場合にどのような違いがみられるかもこれまで解明されていない。したがって、このような続発性黄斑上膜症例についても同様の検討を行い、黄斑上膜のさらなる病態解明へとつなげていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)