歯周病が関与する動脈硬化の進展にマイオカインが及ぼす影響についての検討
Project/Area Number |
21K16981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮部 愛 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70734929)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 動脈硬化 / 歯周炎 |
Outline of Research at the Start |
多くの研究から炎症が動脈硬化の発症、進展に関与する事が示唆されており、疫学調査から慢性炎症性疾患の歯周病が、動脈硬化性心血管障害と関連する事が報告されてきたが、詳細な機序については解明されていない。申請者は、follistatin-like 1(Fstl-1)が血管平滑筋細胞の増殖や遊走、血管障害後の新生内膜形成を抑制する事を明らかにした。本研究では、①歯周炎が動脈硬化の発症や進展に関わるメカニズムを明確にし、歯周病治療による動脈硬化の予防や進展抑制の方策を確立する。②マイオカインであるirisinが動脈硬化に及ぼす影響を解明することにより、動脈硬化の新たな治療手段や予防法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性炎症性疾患である歯周病の存在が動脈硬化の発症や進展に関与することが報告されてきたが、その詳細な機序は明確になっていない。2022年度は昨年に引き続きヒト大動脈平滑筋細胞(HASMCs)を用いたin vitroの実験を行った。 その結果、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis(Pg菌)由来のlipopolysaccharide (Pg-LPS)による刺激で、HASMCsの増殖と遊走が有意に促進することが明らかになった。これにはTLR4/MyD88経路の活性化が関与しており、TLR4のノックダウンでPg-LPS刺激によるHASMCsの増殖、遊走が有意に抑制されたが、MyD88ノックダウンでは遊走は有意に抑制するが、増殖抑制は有意差を示さなかった。 また、MyD88の下流に位置するMAPK(P38MAPK及びSAPK/JNK)と、細胞増殖に関与するERKもPg-LPS刺激によって活性化し、TLR4ノックダウンでMAPK,ERKのリン酸化が有意に抑制されたがMyD88ノックダウンではMAPKのリン酸化は有意に抑制されるがERKのリン酸化は抑制されなかった。 さらにERK阻害ではPg-LPS刺激によるHASMCsの増殖と遊走を有意に抑制するが、p38MAPK及びSAPK/JNK阻害では遊走は有意に抑制するが、増殖は抑制しなかった。 これまでの研究結果から、歯周病の存在によって動脈硬化が促進される可能性が示唆された。Pg-LPS刺激によるHASMCsの増殖はTLR4/ERKを介しており、遊走はTLR4/MyD88/MAPK(p38MAPk,SAPK/JNK)を介していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 2022年度は昨年度に引き続きHASMCsを用いたin vitroの実験を行った。Pg-LPSによる刺激でHASMCsの増殖や遊走能は有意に促進する事が明らかになり、その細胞内シグナルについても検討を進めた。その結果、Pg-LPS刺激によるHASMCsの増殖はTLR4/ERKを介しており、遊走はTLR4/MyD88/MAPK(p38MAPk,SAPK/JNK)を介していることが明らかになった。これまでのところ、概ね予定通りに実験は進んでおり、これらの研究結果は学会で発表を行い、研究成果をまとめて論文として投稿し、2022年12月にInternational Journal of Molecular Science誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度にはマイオカインの1つであるirisinを用いて引き続き歯周病と動脈硬化に関する研究を行う。Pg-LPS刺激によるHASMCsの増殖と遊走の促進に対してirisinの及ぼす影響についてとその細胞内シグナルの解明を目指して研究を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Sustainable Effects of Human Dental Pulp Stem Cell Transplantation on Diabetic Polyneuropathy in Streptozotocine-Induced Type 1 Diabetes Model Mice.2021
Author(s)
Masaki Hata, Maiko Omi, Yasuko Kobayashi, Nobuhisa Nakamura, Megumi Miyabe, Mizuho Ito, Tasuku Ohno, Yuka Imanishi, Tatsuhito Himeno, Hideki Kamiya, Jiro Nakamura, Hitoshi Miyachi, Shogo Ozawa, Ken Miyazawa, Akio Mitani, Toru Nagao, Shigemi Goto, Jun Takebe, Tatsuaki Matsubara, Keiko Naruse
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Journal Title
Cells
Volume: 10
Issue: 9
Pages: 2473-2473
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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