Project/Area Number |
21K17037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 哲生 金沢大学, 保健学系, 助教 (10815864)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 超音波エラストグラフィ / 嚥下機能 / 嚥下関連筋 / 筋硬度 / 予防・改善法 / 嚥下プログラム / 舌骨上筋群 |
Outline of Research at the Start |
嚥下はヒトの「食べる」ことに必要不可欠な機能であるが、加齢や疾患によっていつの間にか低下してしまい、生命を脅かし、生きる楽しみも奪うことになる。嚥下機能の回復と機能低下の予防は、超高齢化社会が急速に進行する我が国にとって、「生きる」という本質に直結した課題である。本研究は、近年注目される超音波エラストグラフィにより測定した筋の硬さ(硬度)を嚥下機能の評価に利用することで、従来の評価と介入方法の良い部分を強化し、不足している部分を補い、効果的な予防法を開発のための基礎研究とする。本研究により、誰もが健康に老いるまで「食べる」ことを楽しむことができる社会づくりに貢献する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は超音波画像診断装置を使用し、これまで難しかった嚥下関連筋の筋硬度を超音波エラストグラフィを用いて評価することを目的とする。嚥下評価はこれまで嚥下内視鏡検査および嚥下造影検査といった侵襲性の高い方法でしか詳細な評価はできなかったが、本研究ではより簡便かつ低侵襲な方法で嚥下関連筋を評価可能な手法を提案する。 2021年度には健常者を対象に、超音波画像診断装置(日立製作所;Noblus)を使用して主要な嚥下関連筋(オトガイ舌骨筋、左右顎二腹筋、左右咬筋の長軸・短軸)の筋硬度評価が可能であることを明らかにし、その検者内信頼性を確認した。すべての筋でICC(1,3)=0.8以上となり、安定して筋硬度評価が可能であることが明らかになった。一方で、顎舌骨筋や舌骨下筋群の測定は困難であることも明らかになった。 当該年度の2022年度においては前年度から継続して健常者のサンプルサイズを増やし、さらに検者間の信頼性を確認することを目標とした。検者内信頼性は対象者40名に対して、すべての筋でICC(1,3)=0.9以上となった。検者間信頼性は2名の検者で検討し、対象者10名に対して左咬筋長軸(=0.78)を除き、すべての筋でICC(2,3)=0.8以上となった。 また信頼性評価に加え、健常者を対象に嚥下機能の改善が期待できる嚥下体操のShaker exercise(仰臥位での頭部挙上運動)前後の筋硬度評価を実施した。その結果、嚥下体操前後で舌骨上筋群のオトガイ舌骨筋および顎二腹筋の筋硬度が有意に低下した一方で、咬筋の筋硬度には変化が無かった。 以上より、超音波エラストグラフィを用いた嚥下関連筋の筋硬度評価は簡便かつ低侵襲な、新しい嚥下評価として有用であることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の研究実績を、学会発表や原著論文として報告するには至らなかった。 また超音波エラストグラフィの検者間信頼性を検討する際に、共同研究者が超音波画像診断装置の使用に精通するまで想定以上に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在取り組んでいる検者間信頼性においてサンプルサイズは十分とは言えず、十分な対象者数を確保する。今後は健常者だけでなく、高齢者に対しても同様に筋硬度が測定可能かどうか検証する。高齢者に対しても同様に評価可能であることを示すことができれば、質問紙等によって評価可能な嚥下の困難さと筋硬度の関連性を検証する。 当該年度で筋硬度の前後変化を確認した代表的な嚥下体操であるShaker exerciseは、高負荷で対象者への負担が大きく、嚥下関連筋以外の筋活動が高くなることが報告されている。より負担が少なく、高齢者でも安定して実施可能な方法で、Shaker exerciseと同程度の効果が得られるような嚥下体操プログラムの開発を目指す。
|