Project/Area Number |
21K17050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 亜沙子 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (80822642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 舌圧 / 機能的咬合高径 / 快適域 / 口腔機能 |
Outline of Research at the Start |
加齢に伴う歯の欠損は口腔機能低下とともに,高齢者の全身的な虚弱『フレイル』の状態を引き起こすことが最近問題視されている. 歯の欠損に対する有床義歯装着は口腔機能回復に重要だが,完成義歯の機能発揮はその製作プロセスに影響を受ける.特に咬合高径決定は舌圧などの口腔機能に影響を及ぼす.本研究は,快適域(Comfortable Zone)と舌圧を応用した客観的な咬合高径決定法を確立し,製作段階から機能回復を目標においた義歯製作を目指すものとする. この方法は補綴治療前の機能評価と治療方針決定に反映され,義歯装着後の機能回復レベルを予測させることで,訓練効果の一助となり栄養指導や介護への応用が期待できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴う歯の欠損に起因する口腔機能低下において,有床義歯による機能回復は重要である.しかし,義歯製作段過程の適否から治療後の口腔機能回復について検討・評価された報告はない.特に製作過程の中でも咬合高径決定は完成義歯の機能に大きく関わるステップであり,舌圧などの口腔機能に影響を及ぼす.そのため,本研究は,快適域(Comfortable Zone: CZ)と舌圧を応用した客観的な咬合高径決定法を確立することを目的とし立案した. 本研究の計画は①CZが妥当な咬合高径領域を示しているかの予備的実験,②CZの測定と舌圧の比較,③CZと舌圧を用いた咬合高径決定法を利用した新製義歯での口腔機能の評価,とし現在,①②までの研究結果が論文掲載されている. CZ法より導出される最快適位(Most Comfortable Position: MCP)の再現性を検討するため,CZ法で用いる3件法の“高い・低い・快適”と答えた咬合高径におけるそれぞれの100mmVAS (Visual Analog Scale, 以下 VAS) の変化について分析し,その再現性を明らかにした. 続いて,咬合高径をMCPから変化させた時のVAS・舌圧の変動について検討した.結果,患者の快適性を参考に咬合高径を設定する場合はMCPより-1~+2mmの範囲が有用であり,舌圧を参考にする場合は+5mmまでが設定可能と結論づけられた. 続いて③に移行予定であったが,MCP測定に2時間を要すること,1100回のタッピングを要することが,研究の遂行及び臨床応用への課題となっていた.そこで簡略化した方法が望まれており,その信頼性を検討するため,MCP算出のための10セッションの測定を7・5・3セッションに減少させ,その同等性を検討した.結果は5セッションまでの簡略化なら測定したMCP値は10セッション時と同等であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①CZが妥当な咬合高径領域を示しているかの予備的実験,②CZの測定と舌圧の比較の測定,に関して論文が受理され掲載されている. その後,③CZと舌圧を用いた咬合高径決定法を利用した新製義歯での口腔機能の評価へ移行予定であったが,MCP測定に2時間を要すること,1100回のタッピングを要することが,研究の遂行及び臨床応用への課題となっていた.そこで簡略化した方法を構成する必要があり,その信頼性の検討を先に行うこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
MCP算出の簡略化した方法の分析を引き続き行う.MCP算出のための10セッションの測定を7・5・3セッションに減少させ,その同等性を検討した結果,5セッションまでの簡略化なら測定したMCP値は10セッション時と同等であった.しかし,被験者数が少ないため,今後測定数を増やし分析を行っていく.簡略化の方法を確立し,③CZと舌圧を用いた咬合高径決定法を利用した新製義歯での口腔機能の評価へ移行する.既に報告済みの舌圧を低下させずに咬合高径を設定できるMCP基準の-4mmから+5mmの範囲で製作した義歯を装着し口腔機能を測定する予定である.これを通法の決定方法で製作された義歯装着時の口腔機能の状態回復度と比較検討を行っていく予定ある.測定内容は舌圧の他,咀嚼能率と嚥下機能を予定している.
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