Project/Area Number |
21K17090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 裕美 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (80899352)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 口腔癌 / 癌骨破壊 / HMGB1 |
Outline of Research at the Start |
口腔癌細胞が産生するHMGB1が破骨細胞形成を促進させ,癌骨破壊に関与していることがわかっている.HMGB1の阻害が癌細胞の増殖ならびに骨破壊を抑制することに着目し,HMGB1を標的とした癌の転移や骨への浸潤,予後への影響と癌誘発性の高カルシウム血症への影響を臨床材料や疾患モデルの作製により,その作用機序と有効性を明らかにしていく.HMGB1を標的とした癌の骨破壊に対する制御を目的とし,基礎研究を通して,既存の骨吸収抑制薬に替わる癌の骨転移や癌誘発性の高カルシウム血症のための新規治療の臨床応用へと発展させたい.
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Outline of Annual Research Achievements |
HMGB1は種々の癌細胞で発現が亢進していることがわかっており,口腔癌細胞でも高発現することは確認した.ヒト口腔扁平上皮癌株でHMGB1の産生と分泌が増加し,骨芽細胞と骨細胞のRANKL発現を上昇させ,破骨細胞形成と分化を促進している. HMGB1中和抗体と受容体のアンタゴニスト(TAK-242,FPS-ZM1)を使用し,ヒト口腔扁平上皮癌細胞株で増殖能と浸潤能を検討すると抑制されることがわかったきた.HMGB1阻害薬は癌細胞の増殖能や浸潤能を低下させており,FPS-ZM1での効果が大きいようであった.これは,HMGB1の受容体である終末糖化産物受容体(RAGE)が強く関わっていることが考えられる. また,顎骨浸潤を認める歯肉癌症例の切除標本を用いて免疫組織学的に探索し,腫瘍進行度によりHMGB1の発現が亢進する傾向を認めている. HMGB1の発現を阻害することが,癌細胞の進展ならびに骨破壊を抑制させることに着目し,HMGB1を標的とし,骨病変や予後への影響,癌誘発性の高カルシウム血症への影響を癌骨微小環境を構成する細胞群に対して培養実験を進めている.また,癌の骨破壊に関連する骨微小環境においての破骨細胞の骨破壊と癌細胞の増殖による負の循環を阻止する経路をさらに探索している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続き当分野の研究施設が改修工事中であるため,共同施設や他分野の研究施設を使用していたが,従来のように実験遂行ができず,研究計画に遅れが生じた.現在は改修工事は終了し,課題研究の遂行の体制は整った.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,前年度より計画してる培養実験を遂行していき,HMGB1が癌骨微小環境を構成する細胞群に対して与える影響についてさらに進めていく.HMGB1の阻害が癌細胞の増殖能や浸潤能を低下させること,血管新生の阻害や知覚神経細胞への影響を作用機序とともにさらに検討を進める. 顎骨浸潤を認める歯肉癌症例の切除標本を用いて免疫組織学的に探索し,腫瘍進行度によりHMGB1の発現が亢進する傾向を認めているが,治療成績と相関があるか,骨吸収促進因子や血管新生因子との関連を検証していく.
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