Project/Area Number |
21K17171
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
伊藤 愛子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70846401)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 咬合異常 / フレイル / 全身性フレイル / 予防 / サルコペニア / 筋 / 心不全 / 疾患モデル |
Outline of Research at the Start |
咬合異常により生理的な咀嚼運動が阻害されると、心血管系疾患、骨格筋の機能不全、認知症の発症リスクが増加することが疫学研究で報告されている。研究代表者は心筋と骨格筋に発現する β1-アドレナリン受容体 (β1-AR) の慢性刺激は、心筋ならびに骨格筋の機能不全を誘導すること、咬合異常はストレスと交感神経活性を高めて心不全を誘導することを報告した。本研究では、β1-AR刺激で腎臓からのレニン分泌が増加することに着目し、咬合異常に起因する心筋と骨格筋の機能不全の交感神経系活性の亢進によるレニン-アンギオテンシン系の役割を解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】咬合異常は口腔領域に様々な悪影響を及ぼすとともに全身、特に自律神経系に異常をきたす。また、レニンアンジオテンシン系(RAS)阻害剤であるカプトプリル(Cap)は、心不全治療の第1選択薬として広く臨床応用され心臓リモデリングに対して抑制効果をもつ。本研究では、歯科用レジンをマウスの下顎切歯に装着したマウスモデル(Bite-opening; BO)を用いて「Capは咬合不調和により誘発される心機能障害と心筋リモデリングを予防する」という仮説をたて、その検証を試みた。 【方法】雄性マウス(16週令、C57/BL6)を、対照群、BO群、Cap(0.1g / Lを含む飲料水)、Cap + BOの4群に分け、BO処置2週後、心筋を摘出し、体重、筋重量、心エコーにより心機能を調べた。組織学的解析として、Masson trichrome 染色、TUNEL染色を行い、メカニズムの解析のためウェスタンブロッティングを行った。 【結果】心エコーを用いて心機能を評価したところ、対照群と比較してBO群で有意に低下したが、(P<0.01)、Capの併用によりBOによる心機能低下は有意に抑制された。線維化ならびに心筋細胞のアポトーシスの割合は、 BO群で有意に増加し、 BO+ Cap群では、その効果が抑制された(P<0.01 each)。以上のメカニズムとしてプロテインキナーゼC(Tyr-311/Thr-505)-カルモデュリンキナーゼIIシグナルの活性化によりカルシウム制御タンパク(ホスホランバン、リアノジン2受容体)の過剰なリン酸化が誘導され、心筋細胞内カルシウムの過負荷が生じることがウェスタンブロッティングより示唆された。 【結論】RASの活性化は、BOに起因する心機能低下に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染症の流行により、計画の進行が遅くなってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
RASの活性化は、BOに起因する心疾患発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。 咬筋のおけるRASの活性の役割を調べる予定である。
|