歯周病菌P. gulaeによるバイオフィルム形成機序の解明と関連病原因子の同定
Project/Area Number |
21K17182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 翔 岡山大学, 大学病院, 医員 (40801048)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 歯周病菌 / 線毛 / プロテアーゼ / 病原因子 / バイオフィルム / 歯周病原菌 / 歯肉上皮細胞 / fimA / 付着侵入 |
Outline of Research at the Start |
動物由来歯周病原菌 P. gulae は様々な動物の歯肉縁下に存在し、伴侶動物を飼育するヒト歯周病患者の病変部プラーク部位から P. gulae が検出され、ヒト歯周病の発症との関連性が示唆されている。歯肉縁下では嫌気性桿菌を多く含む複数種の細菌が凝集することによりバイオフィルムを形成する。しかしながら、P. gulae バイオフィルム形成の機序は明らかになっていない。本申請課題では、P. gulae バイオフィルム形成機構と歯周病発症との関連性を明らかにすると共に、P. gulae が関係する歯周疾患発症の予防法開発へと繋げる狙いがある。
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Outline of Annual Research Achievements |
Porphyromonas gulae は多数の動物の歯肉溝から検出される動物由来歯周病菌である。イヌの歯垢から分離されるPorphyromonas 属の割合は歯周疾患の重症度に相関し、P. gulae はイヌの健康な歯周ポケットよりも歯周疾患の罹患部位から高頻度で検出されることが報告されている。また近年ではイヌなどの伴侶動物を飼育するヒトの口腔内からも P. gulae から検出され、その検出率が歯周疾患の重症度に伴って高まることから、P. gulae は人獣共通感染症である可能性が示唆されている。歯周疾患は歯周ポケット内にて複数種の細菌と菌体外多糖類がバイオフィルムを構築することで発生する感染症であり、本研究は P. gulae バイオフィルムの形成機序と病原因子の関連性を解明することを目指す。 昨年度は高病原性をもつC型線毛保有株の fimA 遺伝子欠損株ならびに同相補株を用いてバイオフィルムを形成させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いてその形態と構造を観察した。また並行して P. gulae ゲノム上のプロテアーゼ領域を欠損させた変異株を作製することを試みた結果、標的となるプロテアーゼ領域が複数存在することを確認した。これを踏まえて、P. gulae のプロテアーゼ領域と予測される塩基配列の PCR による解析を進めてきた。 今後はこれらの変異株が形成するバイオフィルムの性状を評価する。またこれと並行して P. gulae プロテアーゼ領域を欠損させた変異株を作製し、野生株との性状の差を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
P. gulae の保有する病原因子のうち、線毛とプロテアーゼが P. gulae バイオフィルムに及ぼす影響を検討するための研究を進めてきた。 バイオフィルム構造の観察について、再現性の高い実験手順・解析方法の構築に時間を要した。線毛についてはヘキシジウムイオダイドを用いて染色した P. gulae 線毛欠損株ならびに相補株のバイオフィルムをチャンバースライド上に形成させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いて P. gulae 線毛欠損株ならびに相補株が形成するバイオフィルムを観察した。さらにバイオフィルムの蛍光密度を画像解析ソフトを使用して測定した。その結果、野生株のバイオフィルムと比較して形態、形成量、厚みや密度に明確な違いは見られなかった。 プロテアーゼについては、欠損部位とする予定のプロテアーゼ領域を同定することを試みたところ、P. gulae プロテアーゼに関連する遺伝子配列が複数存在することが確認された。このため当初予定していた手順を見直す必要が生じた。 P. gulae の類似細菌である P. gingivalis が保有するプロテアーゼ領域の塩基配列を参考にプライマーを設計してPCRを行い、増幅された領域の塩基配列を確認することで、ゲノム上の複数箇所に存在する P. gulae プロテアーゼ領域の探索を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
P. gulae が形成するバイオフィルムの耐久性を明らかにするため、3種類に分類される線毛遺伝子保有株ならびに線毛欠損株のバイオフィルムを作成し、超音波破砕試験を行う。バイオフィルムの物理刺激に対する耐久性を評価し、P. gulae バイオフィルムの物理的性状に線毛が及ぼす影響を観察する。 P. gulae プロテアーゼ欠損株の作製では、標的となる複数存在するプロテアーゼ遺伝子の塩基配列の解読を進める。塩基配列決定後、エリスロマイシン耐性カセットを挿入し、各領域のプロテアーゼ欠損株を作製する。塩基配列の探索が困難である場合、代替方法として各種トリプシン様プロテアーゼ阻害剤を用いることで、P. gulae バイオフィルム形成能への影響を評価する。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)