Project/Area Number |
21K17307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
木下 諒 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (50896090)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ワクチン予防可能疾患 / 血清疫学 / 新興感染症 / 再興感染症 / COVID-19 / 麻疹 / 風疹 / 血清疫学調査 / 集団免疫 / 数理モデル |
Outline of Research at the Start |
本邦において、麻疹や風疹の土着株の制御には成功したが、輸入感染例による流行拡大がCOVID-19 による国家間の移動制限導入前は継続的に観察されていた。原因として、(1)不十分な集団接種施策の変遷に加え、(2)一度獲得した免疫の失活により集団免疫が不十分であることが挙げられる。本研究では、主にCOVID-19・麻疹・風疹について、ワクチン由来の獲得免疫が時系列で失活する速度を定量化し、失活を原因とした感受性人口の補充による再流行のリスクを明らかにする。さらには、免疫失活の速度を加味した数理モデルを構築し、追加ワクチン接種政策を提案することで、持続可能な集団免疫の達成と維持を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ワクチン予防可能疾患において、ワクチンや自然感染によって獲得された免疫が時間の経過とともに失活するリスクを考慮し、感受性人口の増加や集積による再流行リスクを明らかにすることである。さらに、持続可能な集団免疫の達成と維持を実現するために、追加のワクチン接種政策や流行制御に必要な施策を提案することを目指した。
研究の2年目では、エムポックスやCOVID-19などの流行を考慮して研究を実施した。エムポックスについては、2021年に世界中で感染が拡大する中で、リアルタイムで各空港への輸入リスクを推定した。また、渡航制限が導入されると輸入リスクがどのように変化するかをシミュレーションし、渡航制限の効果が限定的であることを明らかにした。COVID-19については、国内の血清疫学調査に関わりながら、収集された疫学情報を基に、自然感染やワクチンによって獲得される免疫について解析し、再流行リスクを評価している。そのほかに、風疹について研究を実施し、国内の血清疫学調査データと地域ごとの人口動態統計を使用して、地域ごとの感受性人口をリスクマップにすることにより、集団免疫の状況を評価した。これらのケーススタディを重ねることで、それぞれの疾患について、今後の流行リスクについて言及することができた。
ワクチンの効果の持続性や再流行リスクを評価することは、持続可能な集団免疫の達成と維持を検討するために重要であり、追加のワクチン接種政策を提案する上で有用である。感受性人口の増加や集積による再流行リスクを考慮することで、例えば、ワクチンの効果の持続性を向上させるための追加のブースター接種や、感染拡大のリスクが高い地域でのターゲット型の予防接種キャンペーンの実施など、さまざまな対策が検討可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の研究課題を検討し、研究対象の疾患における流行リスクを評価することができたため、研究はおおむね順調に進展している。
2年目の成果としては、以下の項目が主に挙げられる。(1) エムポックスの世界的な輸入リスクの推定、(2) 日本におけるCOVID-19の免疫保持者割合の評価、(3) 日本における風疹の感受性人口のリスクマップの作成。(1)については、既に国際誌Epidemiology and Infectionに成果発表を行うことができ、想定以上の進捗状況である。(2)と(3)については、現在論文投稿中で、関連した新たな研究課題について追加解析も実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、COVID-19、麻疹、風疹などのワクチン予防可能疾患について、複数のケーススタディを通じて流行リスクの評価や介入策の検討に関する研究を実施予定である。特にCOVID-19に関しては、計画初期から現在までにCOVID-19のワクチン由来および感染由来の免疫に関する知見が蓄積されているため、最新の知識を反映した方法で、血清疫学情報等を用いて流行リスクを評価していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)