Project/Area Number |
21K17308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷田 真帆 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30821996)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 住宅 / 死亡場所 / ソーシャル・キャピタル / 高齢者 / 悪性新生物 / 終末期 / 社会階層間格差 / 療養場所 / 経時変化 |
Outline of Research at the Start |
誰もが人生の最後まで自分らしい暮らしを続けられるように、国は支援体制の構築を進めている。その一方で、先の希望を持てない人や希望を叶えられない人も少なくない。本研究では死亡までの療養場所の推移の類型や、終末期の療養場所の希望と実際に最後を迎えた場所の一致状況およびその関連要因、終末期の希望の話し合いを持つ契機となる出来事や地域の要因を明らかにする。これらの知見から、人生の最終段階での療養の選択肢を提示し、終末期の療養場所選択の社会階層間格差の縮小に資する政策への示唆を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、高齢者が住む住宅の種類(持ち家か、それ以外か)と、その後の死亡場所との関連および、その関連を修飾する地域要因を検討する研究を行った。日本老年学的評価研 究の2010年度調査に参加し、2016年までの要介護認定・賦課データと2017年までの死亡個票データを提供した11市町村在住の、調査時点で要介護認定を受けておらず、2017年までに死亡した65歳以上の6,312名のデータを使用した。目的変数を自宅死亡かそれ以外の場所での死亡か、説明変数を持ち家か否かとして、死因類型ごとに個人をレベル1・居住学区をレベル2としたマルチレベル修正ポワソン回帰分析を行った。結果として、自宅死亡割合は、住まいが持ち家の場合13.3%、それ以外の場合12.4%であった。特に死因が悪性新生物の場合では、持ち家に住んでいた人では、それ以外の住宅に住んでいた人と比較して自宅死亡割合が高い傾向にあった (割合の比1.74 [95%信頼区間: 1.10, 2.75])。さらにこの傾向は、地域の互酬性が高いほど顕著であった。悪性新生物の場合、死亡直前まで意識やADLが保たれることが多く、愛着のある持ち家(自宅)を希望しそこで最期を迎える割合が高くなる可能性が考えられた。また地域の互酬性/市民活動参加割合の高さは、住宅が持ち家の人のみが恩恵を受け、自宅死亡割合が高くなる可能性が示唆された。さらに、地域の社会的凝集性が高くても自宅死亡割合は高くならず、他の健康と同様に、地域レベルのソーシャル・キャピタルの種類によって効果修飾の仕方が異なる可能性が考えられた(第34回日本疫学会学術総会で発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた、医療会議レセプトデータ・介護保険認定・賦課データの整備、および調査票の回答結果や死亡小票データとの連結について、データの整備が想定通りに進んでおらず、当初の計画で解析に使用する予定であったデータセットの作成およびその解析の実施が困難になっている。 またもともと予定していた、希望する最期の場所および話し合い状況の「経年変化」と関連する要因の探索を試みるため、データセットをところ、その「変化」を捉えられる研究対象人数が想定よりも少ないこと、また想定していない「変化」(過去に「おこなったことがある」と回答した者が、その後の回答で「おこなったことがない」、という矛盾した回答など)を示した人数が想定よりもかなり多かったことから、高度な解析に耐えることが難しいと考えられたため、成果の公表に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これから延長する補助期間では、データセットの整備にはこれ以上エフォートを割かず、手元のデータや、もともと使用を予定していなかったが、外的要因により整備の進んだデータ(観察期間を長くした、よりバイアスの小さい・実態に近いデータなど)でできる範囲で関連する内容の解析を進め、研究を少しでも前に進めることを優先する。解析に耐えがたいデータについては、欠損の補完等を試して人数を確保するなどの手法を学び、それを試すほか、それでも解析が難しい場合には集計データとして公表することを検討する。
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