Project/Area Number |
21K17471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
國枝 顕二郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50701885)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | バキューム嚥下 / 嚥下障害 / 胸腔内 / 陰圧形成 / 摂食嚥下リハビリテーション / 陰圧 / 胃管 / シリンジ / 指導法 / 食道内圧 / 球麻痺 / バキューム |
Outline of Research at the Start |
脳梗塞を含む神経筋疾患では、嚥下中枢(球)の障害による嚥下障害を来たし、食道入口部が開かずに食塊が咽頭に残留する。バキューム嚥下は嚥下時に食道内に強い陰圧を形成し、咽頭残留を食道内に流入させる新しいメカニズムの嚥下法である。球麻痺による嚥下障害患者において、バキューム嚥下の有効性を高解像度マノメトリと嚥下造影検査を用いて検証する。また、バキューム嚥下の分かりやすい指導法を確立し普及させる.
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Outline of Annual Research Achievements |
英語論文として、健常者でバキューム嚥下を再現できたとする論文を投稿中である(Dysphagia, in submision)。この報告は、健常者を対象に高解像度マノメトリ―でバキューム嚥下を再現できたことを確認した報告である。バキューム嚥下の指導法も掲載しており、本論文の指導法をもとに国際的にも同嚥下法を広めていく予定である。 脊髄性筋萎縮症に対してバキューム嚥下を再現できた症例を報告をした(Cureus. 2024).この報告は、延髄外側症候群による球麻痺の嚥下障害だけでなく、神経筋疾患でもバキューム嚥下を獲得できたとする最初の報告である。梨状窩の咽頭残留の除去に有効であることを報告した。 総説として、嚥下専門誌である嚥下医学に、知っておきたい嚥下法「バキューム嚥下」として、総説を執筆し掲載された(嚥下医学2023)。新しい嚥下法として、バキューム嚥下を発見した経緯や、バキューム嚥下の指導法などを掲載した。 韓国で行われた第1回アジアの嚥下学会(ADS2023)で、バキューム嚥下が有効だった症例について報告した。国際学会でバキューム嚥下について海外の研究者らとも議論し、普及をはかった。 全国学会のシンポジウムでは第46回日本嚥下医学会学術講演会シンポジウムで、同嚥下法について発表した。東海北陸作業療法学会の特別講演で、バキューム嚥下についても発表する機会を得た。 バキューム嚥下の指導方法の動画を作成した。広く臨床家や患者が閲覧できるようにウエブ上にアップロードした。今後は、動画の指導法の英語版も作成予定である。国際的な普及もさらに図っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バキューム嚥下の指導法の動画を作成して、動画サイト(You Tube)で公開した。嚥下医学会や摂食嚥下リハビリテーション学会といった全国学会でも、新しい嚥下法としてシンポジウムなどでバキューム嚥下について発表した。嚥下の専門誌、嚥下医学に新しい嚥下法としてバキューム嚥下の総説が掲載された(國枝顕二郎,嚥下医学12(2)、2023)。 バキューム嚥下は、健常者でもバキューム嚥下を再現できることを高解像度マノメトリで検証し、2023年4月に嚥下障害の専門誌Dysphagiaに投稿した。現在2回目の改訂を行い投稿したところである(現在査読中)。 これまで延髄外側症候群など延髄病変の患者でバキューム嚥下を再現できたとする報告を行ってきたが、脊髄性筋萎縮症でもバキューム嚥下を再現できることが分かった。適応疾患の拡大を進めている。 同嚥下法は国内でも注目を集めており、同嚥下法の指導法や研究の相談などの問い合わせがあり、少しずつ新しい嚥下法として普及しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
バキューム嚥下の指導法の普及をはかる。日本語の指導法の動画は作成したが、英語の動画も作成して国際的な普及もはかっていく。 バキューム嚥下の疾患の適応の拡大を行っていく。球麻痺による嚥下障害が良い適応であると考えている。脊髄性筋萎縮症患者に対してバキューム嚥下を指導して再現できた症例を報告した(T Okamoto, K Kunieda, et al. Cureus, 2024)。 延髄外側症候群に対してバキューム嚥下が再現できた複数例の報告や、ケースシリーズとして症例をまとめる予定である。バキューム嚥下の有効性をランダム化比較試験で、検証していく予定である。指導法の補助として、経鼻胃管の先端を食道内に留置して、チューブ内に水を満たしたりシリンジを接続する方法を考案した。食道内の陰圧は水の動きやシリンジの動きで確認できる。胃管を用いて食道内の陰圧形成を客観的に確認する方法の有効性を検証していく。
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