Project/Area Number |
21K17472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷間 桃子 (長井) 京都大学, 医学研究科, 助教 (50755676)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ACL / ラット / 発生 / 歩容 / 治癒 / 膝関節 / pMFL / 形態変化 / 機能変化 / 再生 / 形態構造 / 4次元的解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、膝前十字靭帯(ACL)部分断裂後の靭帯再生促進を目的に、再生組織の治癒メカニズムと十字靭帯成熟に最適な組織環境を、従来の二次元的な解析に換えて運動力学的要素を加味した四次元解析手法を用いて明らかにすることを目的に行う。正常な組織環境を知るために、in vivoにて発達過程・成体動物・損傷モデルを用いてACLを中心とした膝関節構成体間の発現遺伝子及び、細胞放出物質の三次元的分布の可視化、筋線維方向の情報をもとに運動力学的因子の関係性を明らかにする。次に、in vitroにて放出因子や発現遺伝子の細胞応答を確認し、靭帯再生において重要な役割を果たす因子を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は膝前十字靭帯(ACL)部分断裂後の靭帯再生促進を目的に、再生組織の治癒メカニズムと十字靭帯成熟に最適な組織環境を、従来の二次元的な解析に換えて運動力学的要素を加味した四次元解析手法を用いて明らかにすることを目的として実施されている。ヒトでの観察が困難なためラット膝関節を対象に行われる。解析対象は①ACL発達過程個体、②ACL成熟個体、③p-ACLT(post ACL transection)モデルを用いることで、正常と損傷下における十字靭帯再生関連因子の違いを明らかにする。 ①について、十字靭帯とともに膝関節の安定性に寄与する大腿半月靭帯(MFL)について解析を行い発達過程の形態変化を捉えた2022年までの結果は、国際誌への掲載が決まった。 ②③について、成体ラットを対象に、正常と損傷下における十字靭帯再生関連因子の違いを明らかにするために、治癒過程に及ぼすとされるメカニカルストレス因子に大きく関与する歩行変化の3次元的観察および、断裂後に自己治癒が促されるモデルを用いて治癒過程の検証を行った。歩容変化については結果をまとめ国際誌への投稿に向けて準備中である。次に、臨床的にACL断裂後のパフォーマンスに影響を及ぼすとされる機会受容器に焦点を当て、断裂後に自己治癒が促されるモデルを用いて機械受容器の経時的変化を検証した。4次元的解析に向けた連続切片スキャンについては、胎生期ラット下肢の一般染色(HE)後の切片を対象にスキャンを継続しているが、現在は前述の機能面の解析を主軸に研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の解析対象である、3項目①ACL発達過程個体、②ACL成熟個体、③p-ACLTモデルの中で、 ①については、昨年までの結果をまとめ、国際誌の掲載が決定した。 ②③については、治癒過程に及ぼすとされるメカニカルストレス因子に大きく関与する歩行の変化を捉えるべくラット歩行解析装置(キネマトレーサー)を用いてACLTとACLTによる脛骨引き出し制動介入を行った群(KSM: knee stabilization model)、コントロール群をもちいてその歩様を3次元的に比較解析した。その結果、コントロール群に比べACLT群は他関節への二次的なOA発生の関与が示唆され、追加解析を実施の上、現在は国際誌への投稿に向け準備を進めている。次に、断裂後に自己治癒が促されるモデル(=KSM群)とACL群において、臨床的にACL断裂後のパフォーマンスに影響を及ぼすとされる機械受容器に焦点を当て、治癒過程の経時的変化検証を行った。ACL損傷4週群はKSM4週群と比べて有意差は認められなかったもの機械受容器の数の減少傾向がみられたことから、異常な関節運動を制御することは靭帯損傷後に靭帯内の機械受容器を維持する可能性が示唆された。本結果は学会で発表を行い、現在は長期的な変化についてさらなる解析を進めている。 現段階では組織解析および機能解析に主体をおいているが、現在解析中の組織標本を用いた4次元的解析の検討もすすめるために、胎生期ラット下肢の一般染色(HE)後の切片を対象にスキャンを継続している。本解析については発生過程に関する因子検証のための免疫染色および本画像を用いた3次元再構成化が今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
②、③について、各介入を行った成熟ラットの膝組織は、動作機能解析(ラット歩行解析)の際に摘出したサンプルがあり、再生関連因子の解析および4次元解析用の標本作成にむけてこれらの薄切作業が進んでいる。十字靭帯の治癒過程に関する解析として、まずはプロトコールの安定している抗体(コラーゲン)を用いて免疫組織学的解析をすすめる。また治癒に関連するターゲットタンパク、DNAの染色条件検討を行う予定である。 KSM群のACL組織治癒に関して、現在の結果の確実性を高めるために追加染色を行い、中長期的な変化を捉えるためにサンプル数を増やし、組織学的解析をすすめる。 次年度も組織学的解析と運動機能学的解析が主体となるが、各実験系での染色データをもとに画像の4次元化も進めていく。 産育休を挟むため、進捗のスピードが今までよりも低下することが予想されるが、可能な限り研究を推進する予定である。
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