がん悪液質に対する運動によるエピジェネティクス制御に着目した治療法の開発
Project/Area Number |
21K17481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Osaka Health Science University |
Principal Investigator |
田中 稔 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00735508)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | がん悪液質 / 運動 / エピジェネティクス / マイオカイン / IL-15 / 骨格筋 / Metabolic Memory / 筋萎縮 |
Outline of Research at the Start |
がん悪液質の予防・進行抑制の一部には,習慣的な運動が有効とされ,骨格筋から分泌されるサイトカイン(マイオカイン)の,関与が示唆されている.マイオカインの一つであるIL-15は,SIRT1を活性化させ,さらにSIRT1活性化は,エピジェネティクス制御に関与するとされ,運動効果を記憶(Metabolic Memory)させることで,習慣的な運動の効果が筋内に蓄積・記憶され,筋萎縮を抑制する可能性がある.そこで,習慣的な運動により,運動由来IL-15がSIRT1を活性化させ,筋内のMetabolic Memoryを構築することで,がん悪液質に伴う筋量減少を抑制する機序を解明する研究を計画した.
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Outline of Annual Research Achievements |
IL-15TGおよびKOマウスと遺伝子改変のないマウス(Wild Type)について比較検討を実施するとともに,両系統のマウスに対して運動を実施し,運動効果の詳細について解析を実施した.結果として,先行研究と同様にIL-15TGマウスでリン酸化AMPKの上昇が確認された.また,IL-15TGマウスにおいて,オートファジーが亢進していることが確認され,骨格筋の代謝に関わる因子(SDH活性)や筋力の改善効果が確認された.さらに,IL-15の過剰発現によるオートファジーの亢進に対して,過剰亢進を抑制するためのエピジェネティクス制御によるネガティブフィードバック機構が存在していることも示唆された.IL-15TGマウスは,通常飼育群に対して,運動群で骨格筋量の変化は見られなかった.一方で,IL-15KOマウスでは,運動実施群で通常飼育群に比較して,下肢骨格筋(腓腹筋)の骨格筋量/体重比が有意に低下していた. 運動後の下肢骨格筋(腓腹筋)の筋量の結果,TGマウスでは運動による変化は観察されずKOマウスでは運動により減少することが観察された.これらの結果から,IL-15が運動時の骨格筋量維持に必要な因子であることが示唆された.これら形態的な変化の原因を解明するため,骨格筋の遺伝子発現に関する網羅的な解析を実施し,現在関連経路を解析中である.関連因子については生化学的な実験を実施している.IL-15KOおよびTGにおいて運動の効果は,確認されなかった.さらにIL-15KOにおいてはAMPKによる運動効果は確認されなかった.このことから,骨格筋における運動の効果を引き出すためには,骨格筋内のIL-15発現が必要であることが示唆された.今回の結果について,エピジェネティクスとの関連を今後詳細に検討していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物舎の改修に伴い,一旦遺伝子改変動物の系統維持を終了し,再度立ち上げる必要が出た.そのため,進捗に若干の遅れが生じている.仮説との違いについては,検討する必要があるため,現在解析を進めている.研究計画に対して遅れている実験をまずは進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウスの立ち上げとがん細胞の移植を早急に準備して実施する. 年度内にがん細胞を移植した遺伝子改変動物がどのような表現型を示すか確認し,その後,運動の効果の検証に入る.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)