筋受動的スティフネス増加のトレーニング法の確立:新たな運動パフォーマンス改善法
Project/Area Number |
21K17578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
安藤 良介 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 研究員 (10804792)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 安静時弾性 / 筋スティフネス / RTD / 超音波エラストグラフィ / 下腿三頭筋 / ドロップジャンプ / 機械的ストレス / 運動パフォーマンス |
Outline of Research at the Start |
近年,力をいれていない時(安静時)の骨格筋のスティフネス(≒硬さ)が疾走速度やジャンプなどの運動パフォーマンスに好影響を及ぼす可能性が示されている.しかしながら,安静時の筋スティフネスを増加させる方法は確立されていない.そこで本研究では,ジャンプトレーニング中の筋収縮様式に着目し,短い接地時間でのドロップジャンプトレーニングにより,筋スティフネスが増加するという仮説を検証することを目的としている.また,確立されたトレーニングによる筋スティフネスの増加が疾走速度やジャンプのパフォーマンスを向上させるか否かを明らかにすることにより,スポーツの現場への新たなトレーニング法の提案が期待できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、安静時の筋の弾性と運動パフォーマンスの関係、および筋への機械的ストレスが安静時の筋の弾性に及ぼす影響を明らかにすることであるが、2022年度は安静時の筋の弾性に与える要因について深掘りをした。若齢男女20名において、下腿部のMRI横断画像から内側腓腹筋内に蓄積する脂肪の面積を特殊な手法を用いて解析した。下腿三頭筋が伸張される背屈15°における内側腓腹筋の弾性と筋内脂肪断面積には有意な相関関係が見られた (r = -0.47, P < 0.05)。これは、骨格筋内に蓄積する脂肪が多いほど、筋の弾性が低いことを示しており、安静時の筋の弾性と運動パフォーマンスの関係についての解釈には注意を払う必要があることを示唆している。この成果は、国際学術誌に掲載された (Yoshiko, Ando, and Akima Eur J Appl Physiol 2023)。2023年度には、ドロップジャンプあるいはランニング中の接地時間と筋スティフネスや運動パフォーマンスとの関係について研究を進める予定であるが、その際には筋内脂肪量・横断面積を考慮した偏相関解析などが必要であることを認識できた。場合によっては、ドロップジャンプあるいはランニング中の接地時間と筋内脂肪量・横断面積との関係についても検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究プロジェクトにおける最終目的は、ドロップジャンプやランニングにおける接地時間と筋スティフネスの適応について明らかにすることであるが、そのための横断あるいは縦断研究を実施することができなかった。しかしながら、本実験のプロトコルについての精査は終えており、所属先での倫理申請も済んでいることから、2023年度内にはこれらの実験を終えることができ、本研究プロジェクトを完成させられると考えている。また、2021年度の研究実績を論文としてまとめることができていないため、この論文執筆については早急に終える必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、陸上競技長距離選手のランニング中の足部接地時間(選手任意)と内側腓腹筋および外側広筋の弾性の関係を検討する。毎月数百キロのランニングを実施している長距離選手では、その接地時間により、下肢骨格筋に異なる弾性適応が生じていると考えられる。研究計画当初から考えているように、ドロップジャンプやランニング中に接地時間が短い(筋への機械的ストレスが大きい)選手ほど、下肢骨格筋の弾性が高い(≒硬い)と予測している。先行研究では、陸上競技長距離選手のランニング中の足部接地時間とランニングエコノミーの関係が示されているが、接地時間が骨格筋の弾性に影響を与え、それがランニングエコノミーに影響を与えている可能性を示すことができると期待している。実験はよく鍛錬された陸上競技長距離選手20名以上を対象とし、トレッドミルにおいて最大下で走行時の足部をハイスピードカメラで撮影し、接地時間を算出する。このランニングテストの前に、内側腓腹筋と外側広筋の弾性を超音波エラストグラフィにより測定する。これらのデータから、接地時間と骨格筋の弾性、強いてはランニングエコノミーとの関係まで検討する。2023年12月までに実験を終え、その後解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)