暑熱下運動時における循環動態制御メカニズムの解明とその応用基盤の構築
Project/Area Number |
21K17582
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡邊 和仁 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (70733145)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
|
Keywords | 暑熱ストレス / 心機能 / 循環反応 / 体温 / 運動 / 暑熱負荷 |
Outline of Research at the Start |
暑熱環境下での長時間運動など、体温上昇や体水分損失(脱水)による複合的なストレス下では循環器系への負担が増大する。その典型として心臓から拍出される血液量(心拍出量)の減少が起こり、これは熱中症発症の誘因となるが、心臓の収縮・拡張機能は体温上昇と脱水によってむしろ高まる傾向がみられる。本研究では、体温上昇と脱水により運動時の心機能が亢進する主要因を明らかにし、暑熱下運動時の循環動態の制御メカニズムに関する理解を深め、安全かつ効果的な新しい運動法開発のための基盤構築を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は暑熱ストレスに対する循環応答と心機能変化がどのようなメカニズムで生じるかのを明らかにするため、心臓の壁運動や脱水(体液変化)の影響に着目した検討を行った。実験では、前年度と同様に温水を循環させたスーツ(水循環スーツ)を用いて長時間(2.5~3時間)の局所(片脚、両脚)または全身の温熱負荷を行った。この時の循環パラメーター(心拍出量、下肢血流量等)、体液パラメーター(血液量、血漿量)、体温パラメーター(深部体温、皮膚温)を測定するとともに、実験中に記録した心エコー画像を用いて心臓の壁運動の解析(Speckle tracking)を行い、左室捻転運動(Twist:左室収縮性と関連)及び捻転からの戻り運動(Untwisting rate:左室拡張性と関連)を評価し、これらのデータを条件間で比較した。左室Twistは、片脚加温及び両脚加温時には温熱負荷を行わない条件(コントロール)との差はみられなかったが、全身加温時には加温1時間以降において他の条件より高い値を示した。左室Untwisting rateも片脚加温及び両脚加温時にはコントロールとの差はみられず、全身加温1時間以降において他の条件より高い値を示した。これらの心機能指標と同様に、血液量は片脚加温及び両脚加温時にはコントロールとの差はなく、全身加温1時間以降において他の条件より低い値を示し、血漿量の変化も血液量変化と同様のパターンを示した。これらの結果から、全身性の温熱負荷は心臓の壁運動に影響を及ぼし、左心室の収縮性及び拡張性の亢進を引き起こすが、局所的な温熱負荷は心機能に大きな影響を及ぼさないことが示唆された。また、全身加温により生じる左室収縮性及び拡張性の亢進は血液量及び血漿量の減少に伴って生じるものである可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から大幅な変更なく概ね順調に研究を進めることができ、次年度に繋がる実験結果を得ることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は暑熱ストレスに対する心機能変化についてさらに詳細に明らかにするために、流体力学的な観点から血液の運動エネルギーの変化を検討するとともに、呼吸応答との関連も調べる予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)