慢性ストレスおよび抑うつ状態は運動時ヒト海馬活動のバラツキを生むか?
Project/Area Number |
21K17619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山崎 雄大 筑波大学, 体育系, 特別研究員(PD) (70896430)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 有酸素性運動 / 海馬 / 慢性ストレス / 磁気共鳴イメージング |
Outline of Research at the Start |
本研究は、運動時のヒト海馬活動を捉え、効率的に海馬を活性させる運動処方を確立するための知見と基盤の構築を目指す。そのために、以下の2つの目的の達成を目指す。① 運動時のヒト海馬活動の挙動を捉え、運動による海馬記憶能改善のメカニズムとなるか明らかにすること、② 慢性的なストレス・抑うつ状態が海馬の構造的・機能的変化を惹起し、運動時ヒト海馬活動動態のバラツキを生み出す要因になるか明らかにすること、である。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性的なストレスの蓄積は、我が国で増加している精神疾患や気分障害の要因の一つである。記憶中枢でありストレス制御にも関与する海馬は、慢性ストレスにより容易に衰退する。海馬機能を高め抗ストレス力を高める手段として運動の有効性が指摘されているが、その全容は明らかではない。特に、動物研究にて確認されている運動中の海馬活性がヒトでも生じるかどうかは不明である。さらに、慢性ストレスの蓄積による海馬の機能的・構造的な変化が運動中の海馬活性に影響を与えるかどうかについてもわかっていない。本研究では、ヒト海馬において運動中に海馬活性が見られるか明らかにするとともに、慢性ストレスが運動中の海馬活性に影響するか明らかにすることで、海馬機能や抗ストレス力を高める運動処方への応用を目指す。 当該年度は、海馬記憶能の指標である類似物体弁別課題の成績が、低酸素による急性ストレスに影響を受けるかを検証し、海馬ストレス負荷モデルの構築と海馬脆弱性の個人差に慢性ストレスや抑うつが関連するか検討した。その結果、低負荷の低酸素による類似物体弁別課題成績の安定した低下は確認されなかった。しかし、低酸素負荷による成績低下には抑うつ状態の程度が関連している可能性が示唆され、慢性ストレスが海馬の脆弱性と関連していることを想定する結果を得た。この実験と並行して、運動時の海馬活性を評価する脳画像撮像および解析条件についても現在検討中である。今後は、これらの手法を組み合わせることで、慢性ストレスが運動時の海馬活性、海馬記憶能に与える影響を多角的に検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、運動中の海馬活性あるいは運動に伴う海馬機能の変化と慢性ストレスの関係性について明らかにすることが目的である。当該年度は、運動中の海馬活性測定に向けた準備を進め、最適な撮像・解析条件の検討に着手した。また、運動に伴う変化だけでなく、海馬にストレスを加えた際の脆弱性の観点から慢性ストレスの影響を検討するため、低酸素を用いた実験も進めており、今後のより多角的な知見の蓄積が期待できる。以上より、当該年度は、運動時の海馬活性および海馬機能変化に対する慢性ストレスの影響を検証する上で重要な方法論の構築を展開でき、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに構築した実験モデルを用いて、一過性運動による海馬活動および海馬機能の変化が慢性ストレスレベルの影響を受けるか明らかにする。具体的には、一過性の中強度運動を実施させ、その後海馬機能を評価する類似物体弁別課題をおこなう。安静条件と運動条件の課題成績を比較し、運動に伴う海馬機能の変化を検証する。また、実験に参加した研究協力者のストレスレベルを毛髪コルチゾールおよび質問紙から評価し、運動による海馬機能変化との関係性を見る。運動による海馬活動の評価については、当初は運動中のfMRI測定を想定していたが、それが難航する場合は運動前後の安静時fMRIあるいは記憶課題中の海馬活動の測定に変更する。研究代表者は、急性の低酸素ストレスが海馬機能を低下させる可能性を見出している。これを応用して、低酸素により海馬にストレスを加えた際の記憶能変化、すなわち急性ストレスに対する海馬の脆弱性が慢性ストレスの影響を受けるか否かについても検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Influence of Heat Exposure on Motor Control Performance and Learning as Well as Physiological Responses to Visuomotor Accuracy Tracking Task2022
Author(s)
Aoki M, Yamazaki Y, Otsuka J, Okamoto Y, Takada S, Shirai N, Fujimoto T, Ochi G, Yamashiro K, Sato D, Amano T
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Journal Title
International Journal of Environmental Research and Public Health
Volume: 19
Issue: 19
Pages: 12328-12328
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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