Project/Area Number |
21K17643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 千晴 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 研究員 (40866779)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 腸内細菌叢 / 代謝物質 / 寿命 / メタボローム |
Outline of Research at the Start |
腸内には多種多様な細菌叢が生息しており、腸内細菌叢の構成や細菌叢が産生する代謝物質は、病気の発症や健康維持に関与している。腸内細菌叢の構成は加齢によって変化することが報告されていたが、我々の研究により、腸内細菌叢由来代謝物質の濃度が加齢によって変化し、さらにある腸内細菌叢由来代謝物質が、寿命延伸を促進する可能性があることが推測された。しかし、哺乳類でこの物質が寿命に与える影響や、その作用メカニズムは未解明である。本研究では、腸内細菌叢由来代謝物質が哺乳類の寿命に与える影響の検証と、メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸内には多種多様な細菌が生息しており、腸内細菌叢から産生される代謝物質は、病気の発症や健康維持に関与することが報告されている。腸内細菌叢の構成や腸内・血中の代謝物質は加齢によって変化することが知られており、加齢によって腸内で変化する代謝物質の一部が線虫の寿命延伸に寄与することが本研究で明らかになった。しかし、そのメカニズムや、マウスやヒトなどの哺乳類でこの代謝物質が寿命に影響を与えるかは未解明であることから、本研究では、本代謝物質がもたらす線虫の寿命延長効果の分子基盤と、哺乳類の寿命に与える影響について評価を行うことを目的とした。 2023度はこの代謝物質の生理作用を解析するために、2022年度に引き続き、本代謝物質産生に関わる遺伝子を欠損した線虫を用いて寿命測定を行った。その結果、遺伝子欠損株の線虫の平均寿命は野生株の線虫に比べて長寿になる一方で、異なる飼育温度では逆に、欠損株の寿命は野生株に比べて短命となった。しかし、この効果は線虫の寿命実験では一般的に用いられる薬剤の共在下での結果であり、この薬剤のない条件下では、同様の結果が得られないことが新たに明らかになった。今後は、この薬剤の有無や温度によって寿命にどのような影響があるか、また酸化ストレス耐性にどのような変化が生じるかを検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023度は、本代謝物質産生に関わる遺伝子を欠損した線虫を用いて、飼育温度が寿命に与える影響を評価した。その結果、生育温度が寿命に影響を与えることが明らかとなった。また、この欠損株では寿命実験の際に用いられる薬剤の有無が、線虫の寿命に影響を及ぼすことが新たに明らかになった。このことは当初の計画にはない予想外の結果であったが、本代謝物質が寿命に関連するメカニズムを探るための一助となる可能性があるため、この薬剤の有無と生育温度の組み合わせによって寿命にどのような影響があるか、また酸化ストレス耐性にどのような変化が生じるかを検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本代謝物質産生に関わる遺伝子を欠損した線虫を用いて、飼育温度や実験に用いる薬剤の有無が寿命に影響を与えることが明らかになった。今後は薬剤の有無と生育温度の組み合わせによって寿命にどのような影響があるか、また酸化ストレス耐性にどのような変化が生じるかを検証し、本代謝物質が寿命に関連するメカニズムについて研究を進展させていきたい。また、本研究ではこれまでに、本代謝物質が線虫以外の生物種の寿命に与える影響を検証するため、マウス、ヒト正常二倍体繊維芽細胞、ショウジョウバエの3種の生物種について投与実験を行っているため、これらの結果を論文としてまとめ、投稿したいと考えている。
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