Project/Area Number |
21K17644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田端 宏樹 順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (50876886)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 歯周病原細菌 / 血中抗体価 / 循環器疾患 / 高血圧 / 動脈硬化 / 加齢性疾患 / ラクナ梗塞 / 骨格筋機能 / 認知機能 / 血管機能 |
Outline of Research at the Start |
歯周病原細菌により引き起こされる歯周病はサイトカインなどの生化学成分を介して糖尿病や心血管疾患などの全身疾患と関連する。近年、歯周病原細菌自体が転移し動脈硬化や骨格筋の減少、認知症の成因の1つであるアミロイドβの産生など加齢性の全身疾患に直接影響する可能性が示されている。よって、歯周病原細菌が血管機能、骨格筋機能、認知機能の加齢性変化に影響するかもしれない。そこで本研究では地域在住高齢者コホートを活用して歯周病原細菌と骨格筋機能、血管機能、認知機能の加齢性変化との関連性の解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の主な病原菌であるPorphyromonas gingivalis (P.g)は口腔から嚥下を介して取り入れられることで、循環器疾患(Zhang et al, 2021)、動脈硬化(Wada & Kamisaki, 2010)の発症と関連することが報告されている。しかし、これらの研究の多くはマウスレベルでの研究が多く、ヒトにおいて十分な検討は行われていない。そこで、ヒト高齢者コホートデータを用いて全身性のP.g感染と循環器疾患、動脈硬化、高血圧との関連について検討した。 2015~2018年に都市部在住高齢者を対象としたコホート研究”Bunkyo Health Study“に参加した65~84歳の高齢男女1619名のベースラインデータを用いて検討を行った。絶凍保存血清を用いて全身のP.g感染を反映する血清P.g抗体濃度を測定し、ノンパラメトリック法に基づき抗体濃度の上位5%を異常高値と定義した。問診により循環器疾患の保有の有無、CAVI(心臓足関節血管指数)検査により動脈硬化の有無、高血圧の有無を評価した。血清P.g抗体濃度異常高値以下の基準値群と異常高値群とで循環器疾患の有無、動脈硬化の有無、高血圧の有無のオッズ比と95%信頼区間を潜在的交絡因子を調整した上で比較検討した。 異常高値群では基準値群に比べて高血圧のオッズ比が有意に高かった(オッズ比2.87, 95%信頼区間1.07-7.71)。一方、動脈硬化および循環器疾患のオッズ比に有意な差はなかった。 よって、全身性のP.g感染は動脈硬化や循環器疾患とは関連しないものの高血圧と関連する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は地域在住高齢者コホート“文京ヘルススタディー”のフィールドを活用して、新たに唾液を採取し、唾液中の歯周病原細菌および生化学指標と高齢期の骨格筋機能、認知機能、循環器機能との関連を明らかにすることである。 令和5年度は文京ヘルススタディーの5年後測定に参加した248名を対象に唾液採取を実施し、令和3年度、令和4年度と合わせて983名の高齢者の唾液を採取した。また、令和5年度は本研究の主たる標的としている歯周病原細菌のPorphyromonas gingivalisの口腔および全身性の感染状況を反映する血中抗体価を用いて横断的な解析を実施し、循環器疾患との関連について検討を実施した。しかしながら、昨年報告した血清P.g抗体とラクナ梗塞との関連の論文や歯周病と加齢性疾患との関連の総説論文がまだ採択されておらず、また、採取した唾液検体の解析も今後実施する必要があるため、進捗はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は文京ヘルススタディーの5年後測定で採取した983名の高齢者の唾液検体の解析を進める。また、ベースラインデータを用いて解析したヒト高齢者における血中P.g抗体濃度と脳血管疾患、循環器機能との関連について取りまとめ。論文投稿を行う。
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