Project/Area Number |
21K17839
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 伊織 神戸大学, DX・情報統括本部, 助教 (70751379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 真性粘菌 / Physarum polycephalum / 逆Bayes推論 / 創造的計算 / 逆ベイズ推論 / 創造性 / 適応的行動 / 生物計算機科学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,真性粘菌 Physarum polychephalum (モジホコリカビ)の忌避領域突破行動に着目し,このような適応的挙動を環境条件の自発的書き換えによる外部への逸脱=創造性の発現とみなし,これらのモデルによる再現・理解を試みる.また,粘菌モデルから得られた知見をより抽象化し,適応的・創造的なシステムが具備すべき機構を解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は真性粘菌 Physarum polychephalum 変形体の創発的挙動に着目し,このモデル化を通して創造的行動を数理モデル的に理解しようとすることを目的としている.ここで,創造的行動とは人間等を含むシステムにおいて,想定される境界条件の外部からもたらされるものを積極的に受け入れ,かつ自らも外部へと逸脱していくような状況を指している.すでに申請者らは誘引物質勾配に逆行する粘菌モデルを提案しており,これらのモデルを軸に生命の創造的行動をモデルとして実装することを目指している. 従来的な人工知能では,一定の目的函数の勾配に従ってパラメータを最適化するという方法が取られる事が多い.このような手法において,人工知能の処理能力は教師データおよび目的函数に暗黙裡に規定されることとなる.一方で,外部への逸脱を可能とするためには,あえて目的函数の勾配に逆らうようなパラメータ探索が必要となることが指摘されている.このような挙動をモデルにおいて実装するため,本研究では近年提唱された逆Bayes推論に基づくフィードバック機構を真性粘菌モデルに導入した.Bayes推論が確率空間を収縮させるのに対し,逆Bayes推論は確率空間を弛緩させ,モデルにおいて周囲の誘引物質勾配を無視するような挙動を出現させる.これらのフィードバックは真性粘菌の原形質流動における機序とも整合的であり,従来のモデルを発展的に拡張させたものとなっている.これらの結果については2023年に開催された人工生命の国際会議で報告されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルの詳細な挙動について計算機実験を行っているが,想定よりも検討すべきパラメータ等があったため,検討に時間がかかっている. また,新型コロナウィルス感染症の影響等や半導体等の供給不足による計算機等の高騰により,研究の進捗に影響があったが,これらの状況が改善されたことによって,進捗も改善される見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
モデル等の詳細な検討を実施したうえで,成果の論文化などを2024年度内に行っていく予定である.
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