Project/Area Number |
21K17857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 通夫 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60746642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 創薬 / 遺伝子発現 / 微分方程式モデル / 時系列解析 / システム生物学 |
Outline of Research at the Start |
薬(薬物候補化合物を含む)が、どの生体分子に作用して、どのような影響を生体に及ぼすのか明らかにすることは、副作用の少ない安全な医薬品を開発するために重要である。近年、薬の影響を分子レベルで観測したビッグデータが蓄積されているが、観測データは薬の作用の1つの結果であり、観測までに薬がどのように影響したか明らかでない。本研究では、生体分子(遺伝子やタンパク質など)が細胞内で織り成す相互作用ネットワーク情報に基づく数理モデルを構築し、数値解析を介して薬の作用を時系列で明らかにする。本研究の成果は、薬の有効性や安全性を時系列で評価することを可能にし、多様な疾患に対する新規治療候補薬の発見に貢献できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数理モデルを用いて、薬がどのような時系列で生体システムに作用しているのか予測し、新しい治療候補薬を網羅的に探索することである。令和5年度の研究実施計画は、ヒト由来細胞特異的に構築した数理モデルに対して、薬の作用を時系列で予測した結果を基に、がん全般に対して適用可能な新しい治療候補薬を網羅的に探索することであった。特に、遺伝子発現データから薬の作用パスウェイを統計解析で同定し、その結果を基に、既知の抗がん剤と同様の作用パスウェイをもつ薬をがん治療候補薬として予測することを計画した。また、候補薬のうち、安全性の視点からも有望な候補薬についてはin vitro実験(外部委託)による抗がん作用の検証を行うことを計画した。 研究代表者は、昨年度に引き続き、遺伝子発現データから数理モデルを構築する既存手法について、追加の精度検証を行った。具体的には、さまざまなオミクスデータや遺伝子制御ネットワークを入力することで、精度の改善が見られるかどうかを検証した。また、統計解析により同定した薬の作用パスウェイの情報からがん治療候補薬を予測する手法について、機械学習を用いて予測精度が改善するかどうかを検証した。提案手法について、がん以外の疾患に対して拡張することができ、さまざまな疾患に対する治療候補薬を予測することができた。得られた結果をもとに、がん全般に対して適用可能な新たな治療候補薬を網羅的に探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、予定通り、ヒト由来細胞特異的に構築した数理モデルを用いて、がん全般に対して適用可能な新しい治療候補薬を網羅的に探索した。数理モデルを構築する上で重要となるネットワーク推定、パラメータ推定について、先行研究を精査することに時間を要した。
計画では、候補薬のうち、安全性の視点からも有望な候補薬についてはin vitro実験(外部委託)による抗がん作用の検証を行うことを計画していたが、そこまで至らなかった。以上より、やや遅れていると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの知見を基に、数理モデルを構築し、解析することで、がん全般に対して適用可能な新たな治療候補薬を網羅的に探索する。特に、毒性が低く、治療効果が高い候補薬を探索する手法について検討する。候補薬のうち、安全性の視点からも有望な候補薬についてはin vitro実験による抗がん作用の検証を行う。得られた成果や知見は、国内外の学術大会、及び、国際誌において発表するなどし、積極的な情報発信を行う。
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