自動車軽量化に伴う新構造材料の動的循環解析及びリビルト導入効果の検証
Project/Area Number |
21K17918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 政陽 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (40875465)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | アルミニウム / 固体電解精製技術 / リサイクル / アップグレード / 電気自動車 / 省エネルギー / 展伸材 / 鋳造材 / リユース効果評価モデルの構築 / 自動車 / 軽量化素材 / マテリアルフロー分析 / リビルト / リユース |
Outline of Research at the Start |
自動車の軽量化の進行に伴い高張力鋼板・アルミニウム・マグネシウム・炭素繊維強化プラスチックの使用比率が増えている。現状では、これら軽量化素材が循環する社会のシステムが確立されていない。本研究では、自動車軽量化による製品ライフサイクルの時間的遷移を通じて、複数の産業部門に跨る軽量化素材循環の変化を解明し、リユース・リビルトの導入や先端リサイクル技術の選択による素材の損失回避効果を定量的に検証する。これにより、日本の資源循環の把握や様々な再資源化方法の評価に指標を提供するとともに、国内で軽量化素材を高度に循環利用できる自動車リサイクルのあり方を探る為のエビデンスと政策の選択肢を与えると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は材料科学研究チームと共同で固体アルミニウム(Al)溶融塩電解技術を開発し、Al新地金製造時の半分以下のエネルギー消費で銅、硅素等の合金化元素を大量に含むAlスクラップを純Alに再生することを実現した。また、電気自動車へのシフトによる脱エンジン化に伴うAl需要の変化に着目し、本技術を適用した場合、世界のAl資源循環への波及効果を明示した。この成果は、2022年4月14日に世界トップの総合科学誌Natureに掲載された。 現在の再溶融プロセスによるリサイクルは、合金元素の除去が困難で品質劣化を伴うダウングレードリサイクルとなっている。そのため、再生Alの最終用途は、自動車用エンジンブロック鋳造品などに限られている。しかし、世界的な電気自動車の普及によりエンジンの需要が激減し、再生Alの受け皿の縮小につれ、世界のAlの循環破綻が懸念されている。このままでは、2040年に使えない再生Alが364万トンに上ると推計した。この「Alクライシス」の克服に資する本技術の実証実験として、硅素を11%、銅を2%、鉄を0.8%含有するAl合金を固体のまま陽極として電解した結果、陰極において純度99.9%のAlを96%の収率で回収できた。また、本技術によるAl再生にかかるエネルギー消費は58~80MJ/(kg-Al) であると見込まれた。更には本技術を既存のAlリサイクルシステムに導入した場合、2040年に364万トンの再生Alを高純度Alに戻すことができ、多様なAl需要へ対応できる。 本技術は、Alのサステイナブルリサイクルの実現に貢献できると考えている。本技術によって全てのAlスクラップを精製する必要はなく、Al再生時に質の低下を防ぎ、展伸材に再利用できる最低限の処理量を確保することが経済的及び省エネルギー観点から合理的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自動車の軽量化素材として代表格のアルミニウム(Al)合金は、本研究において最も重要な対象素材である。そこで、代表者はガソリン自動車、ディーゼル自動車、ハイブリッド自動車、及び電気自動車におけるAlの組成変化や世界的な電気自動車シフト、新たなリサイクル技術の導入によって引き起こしたAlの循環構造の変化を解明したことは、研究計画通りに一部の成果を引き出した。このほか、中国の清華大学や北京科学技術大学の関連分野で本研究成果を含む知見を発信しつつ、新たなネットワークの構築に取り組んでいることは高度な資源循環に関わる研究及び政策決定を支援する上で価値があり、予期していなかった成果が得られた。 一方、代表者は社会科学研究に留まらず、Alの持続可能な利用の制約要因のとなっている現行のダウングレードリサイクルという課題に向けて、東北大学工学研究科の材料科学専門家である長坂徹也教授らの研究チームと積極的に連携し、不純物元素が混在するAlスクラップから高純度Alに再生する新たなリサイクルプロセスの開発に成功したことは、期待以上の成果を達したと考えている。さらに、本技術に関して材料科学及び社会科学の多様な視点から評価を行い、多分野融合による共同研究成果をNature誌に掲載されたことは、若手研究の新たな道標になれると考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、電気バスの徹底解体を行い、アルミニウムやマグネシウムなどの組成成分を調査するとともに、データベースの精緻化を行う。また、バッテリーのリユースとリマニュファクチャリングのポテンシャル、工業プロセスにおける各種パラメータを調査し、データベースに反映する。次に、対象部材の資源循環解析に向けて評価モデルの拡張ならびにデータベースへの接続を行う。最後に、分析を行った上で、研究成果の学会発表と論文化を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)