Project/Area Number |
21K17985
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Iwate University (2022-2023) Tokyo University of Foreign Studies (2021) |
Principal Investigator |
古橋 綾 岩手大学, 教育学部, 准教授 (60868818)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ジェンダー / 当事者 / 社会 / 性搾取 / 日韓比較 |
Outline of Research at the Start |
本研究は日本における性風俗及び「売春」の社会的位置について明らかにするものである。3年間の研究期間に、売春防止法制定以後の関連する文献を調査しその歴史的な位置を明らかにする。さらに、性風俗及び「売春」の現場にいた、または現在も現場にいる女性たちへのインタビュー調査を行い、当事者が考える現場の状況を理解する。そして、韓国との比較研究により、日本の状況との相違点と共通点を議論しながら、その社会的位置についての考察を深める。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本における性風俗及び「売春」の社会的位置について明らかにすることを目的としている。具体的には、第一に、性風俗及び「売春」に関連する事項の様相を整理し、当事者へのインタビューを通じて当事者女性たちを見えない存在とさせてきた社会構造を明らかにし、第二に、韓国との比較分析を行い日本の状況の特殊性と性搾取構造の普遍性について考察し、最終的に、当事者の側から諸現象を概念化することを目指す。研究目標の達成のために、①売春防止法制定以後の関連する文献調査及びフィールド調査、②性風俗及び「売春」の現場にいた、または現在も現場にいる女性たちへのインタビュー調査、③韓国との比較研究を遂行する。 2023年度は、①の調査に関して、口之津歴史民俗資料館新館・分館(長崎県南島原市)、大師堂(長崎県南島原市)、旧丸山遊廓跡(長崎県長崎市)のフィールド調査を行い、吉原遊廓についての展示である「大吉原展」(東京藝術大学大学美術館)を訪問し、その展示方法などを検討した。文献調査も昨年度に引き続き国立国会図書館などを利用し進めている。 ②のインタビューに関連して、現在のところ遅延している。本研究の開始時点では見えていなかった過去の遺産が現在にどのように引き継がれてきているのかについてまとめる方向にシフトすることを考えている。 ③の比較研究に関して、韓国ソウルにある性売買店舗が集まる地域でのアウトリーチ活動に参加した。活動家たちからも持続的に話を聞いている。韓国における文献調査も進行中である。 2023年度は調査に尽力したため、研究発表は行わなかった。調査の成果は2024年度以降に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度の計画は、研究の総まとめを行なうことにあった。 2022年度の時点で本研究の進捗状況を「やや遅れている」としていたが、その速度を挽回することができなかったため、延長申請をさせていただいた。 上記のように、①売春防止法制定以後の関連する文献調査及びフィールド調査、②性風俗及び「売春」の現場にいた、または現在も現場にいる女性たちへのインタビュー調査、③韓国との比較研究にかかわる調査を持続的に行っている段階であり、内容を整理するに至らなかった。 2024年度は、2023年度までの調査を基礎として、最終年度として総まとめを行なう予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本来は2023年度が最終年度であったが、延長申請をさせていただき、2024年度を本研究の最終年度とすることになった。 2024年度はここまでの研究で得られた知見を整理していく。 第一に、文献調査及びフィールド調査で分かったことを整理する。特に、過去の遺産が現在にどのように引き継がれてきているのかについて注目してまとめてい く。フィールド調査を重ねる中で、研究を開始した時には見えていなかった新たな視点が見えてきたので、それを学術的にまとめることに注力したい。 第二に、韓国での「反性売買」研究・運動の成果について整理し、本格的に日本の状況との比較を行う。日本では「困難な問題を抱える女性への支援に関する法 律」が2022年5月に成立し、2024年4月より施行されたため、政策提言のひとつになれたら良い。
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