Project/Area Number |
21K18030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高岡 祥子 立正大学, 心理学部, 特任講師 (80759267)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | イヌ / ペット / 写真 / 主観的幸福感 / 表情 / 表情同調 / 感情認知 / ヒトと動物のコミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
ヒトが表情同調を介して他者の感情認識を行う表情フィードバック仮説に着目し,これを異種間に応用することでヒトがイヌの表情から感情を認識するメカニズムを解明する。イヌの表情動画を注視する被験者の表情筋の動きを画像処理を用いて分析する。さらにヒトの表情同調と同様に,異種間でも友好的な関係性が表情同調を促進するかを調べる。表情同調が他者の感情理解に寄与するという機能的役割について異種間で検討することで,その進化的基盤を明らかにし,異種間での表情を用いたコミュニケーションがどのようなメカニズムで行われているのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究の1年目に新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,実験で使用する刺激の作成が困難と判断し,内容を一部変更して研究を実施した。具体的には,ペットや家族を被写体とし,表面に特殊な加工を施した2.5次元写真の触知をともなう鑑賞による心理的効果の検討を行った。2.5次元写真と従来の平面な写真を比較した結果,写真の種類にかかわらず,大切な家族やペットの写真を1か月間鑑賞することで,主観的幸福感と睡眠の質を高める効果が見られた。量的データからは心理的効果に写真間で差が無かったが,写真の種類にかかわらず,家族やペットの写真を身近に飾ること参加者の主観的幸福感と睡眠の質を上げる効果を示した点は興味深い。一方で質的なデータでは写真間で違いが見られた。写真に関する自由記述を分析した結果,2.5次元写真を初めて見て触った参加者は写真の被写体を本物のように感じ,「驚き」や「嬉しさ」という感情が喚起されていた。これは従来の平面な写真には見られなかった効果である。このような2.5次元写真の特徴は,ペットロスの治療に有効かもしれない。ペットロスの悲しみを回復させる過程では,物理的に失ったペットの存在に対し,亡くなった後にも心理的なつながりを感じることが重要である。2.5次元写真のペットは,本物のようなリアルさを感じさせる効果があるため,2.5次元写真のペットに触れることで,ペットとの心理的なつながりを感じることが可能かもしれない。今後の検討が必要である。 研究成果の学会発表は,23年5月と24年3月に国内学会,23年10月に国際学会でそれぞれ発表を行った。研究成果を2年目の5月に和文雑誌に投稿したが,3年目の9月にリジェクトとなった。同年11月に別の和文雑誌に投稿し直し,査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の論文化に関しては,研究2年目に和文雑誌に投稿したが,査読者の都合により大幅に査読期間が延びた。その結果,最初の投稿から17か月後に査読結果を受け取ったが,リジェクトとなった。そこで論文内容を再検討し,別の雑誌に投稿し直した。2度目の投稿では査読は順調に進んでいる模様である。研究3年目の成果発表は国内学会2件,国際学会1件である。論文化の進捗が予定よりも遅れているため,進捗状況としては「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の論文の出版が最優先事項である。査読は順調に進んでおり,2回のリバイズを経て,出版に向けて順調に進んでいる。また,研究成果をふまえ,ペットを被写体とした2.5次元写真の心理的効果の応用可能性についても探っていく予定である。
初年度に新型コロナ感染症の蔓延によって変更した当初の研究計画について,可能な限りで実施する予定である。まず,実験刺激としてイヌの表情写真の収集に着手する。
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