Project/Area Number |
21K18077
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 勝秀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80568254)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 体腔液細胞診 / AI / Deep Learning / Liquid-based cytology / 診断 |
Outline of Research at the Start |
医療分野への人工知能技術の導入に注目が集まっている。がんの判定・診断を行う細胞診検査においても、子宮頸部領域でのAI診断の研究が進められている。しかし、子宮頸部以外の領域における研究は少い。本研究では、全身のあらゆる臓器の悪性細胞が出現し得る体腔液領域を対象とし、ディープラーニングによるAI診断システムの開発を行う。システムの構築においては、標本作製法の検証を行うことで、診断精度の高い作製法を特定し、処理溶液による診断精度への影響も検証していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、細胞診の深層学習モデルを作成する過程においては、細胞処理溶液や標本作製方法が細胞検出精度に多大な影響を与えることを報告してきた。今年度は染色方法、標本撮影倍率に関して、AI精度との関係性を検討した。また、一般的に行われている物体検出に加え、物体の領域まで抽出することが可能なインスタンスセグメンテーションによる細胞検出・分類を行い、精度の高い学習モデルの作成条件を明らかにした。本内容は、American Journal of Clinical Pathologyに投稿し、受理された(Staining, magnification, and algorithmic conditions for highly accurate cell detection and cell classification by deep learning)。さらに、上記内容を、第64回日本臨床細胞学会春期大会(2演題)、第62回日本臨床細胞学会秋期大会(1演題)で発表を行った。 ここまで明らかにした条件をもとに、臨床検体の体腔液試料へ応用を進めている。本学附属病院の倫理申請後、過去の標本を含めた患者標本を収集し、深層学習モデルを作成するための画像収集を行った。体腔液試料475症例(内訳:肺癌63例、胃癌38例、大腸癌10例、卵巣癌64例、膵臓癌51例、乳癌14例、子宮癌33例、胆嚢・胆管癌15例など)。組織型別では、腺癌358例、扁平上皮癌9例、悪性中皮腫18例を収集し、顕微鏡写真撮影を終えた。この画像を対象に、アノテーション処理を実施している。また、深層学習モデルを作成する際に用いるアルゴリズムとして、YOLOv5, YOLOv7, YOLOX, YOLOv8, Detectron等を実施するPC環境を構築し、各種条件の検証を済ませ、実行に移せる準備が整っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標はAI細胞診の臨床検体への応用であった。臨床検体を使用するために、研究協力機関である名古屋大学附属病院において、倫理審査を実施し、受理された。研究計画に従い、体腔液試料の収集を行い、十分量収集し終えた(475症例:65,266枚)。深層学習モデルを作成するために、教師画像、テスト画像に振分け、アノテーション作業を実施している。アノテーションは300症例に到達している。次年度早々にすべての症例のアノテーションを終了できる見込みである。 深層学習を行うアルゴリズムとして、YOLOv5、YOLOv7、YOLOX、YOLOv8、Detectronを準備した。これらを実施できるようにPC環境を整えている。教師画像が整い次第、ディープラーニングを開始する予定である。 最終年度である次年度には、教師画像、テスト画像が準備でき、体腔液におけるAI細胞診の学習モデルの作成、検証が行える。学会発表、論文報告、終了報告ができると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度は、教師画像を用いて、YOLOv5、YOLOv7、YOLOX、YOLOv8、Detectronのアルゴリズムにより深層学習モデルの作成を行う予定である。教師画像として300症例、テスト画像として175症例を準備して検証を行う。教師画像は学習画像と検証画像を振り分けるが、複数パターンを準備して、AI精度が高くなる振分けパターンを検討する。 学習モデル作成の際には、良性・悪性の鑑別、原発巣の推定、組織型の推定の3パターンを予定している。それぞれに対して深層学習モデルの作成を行い、テスト画像を用いて検証を行う。これらの結果から、体腔液細胞診における、AI診断の可能性を探る予定である。なお、本研究から得られた知見は、国内学会発表、英論文報告を行い、AI細胞診の有用性や課題を提言する予定である。当初の計画以上に進呈した場合は、さらに症例数・画像枚数を追加して、AI細胞検出・細胞分類の精度向上を図りたい。すでに本研究の終着点がみえており、計画変更や研究遂行上の問題はみられない。
|