Project/Area Number |
21K18176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 24:Aerospace engineering, marine and maritime engineering, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 直嗣 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40380711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 太智 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (30726401)
枝本 雅史 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (60909860)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥25,480,000 (Direct Cost: ¥19,600,000、Indirect Cost: ¥5,880,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
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Keywords | 宇宙推進 / レーザー核融合ロケット / デタッチメント / プラズマ計測 |
Outline of Research at the Start |
従来の宇宙輸送システムを一新するレーザー核融合ロケットの研究において、世界に先駆けて模擬実験を行い、レーザー核融合ロケットの可能性を実証してきた。しかしながら、実証の過程において、数値解析と検証実験では5倍の差があり、数値解析で考慮されていない物理が存在する事が明らかになった。その候補の一つがデタッチメント、すなわちプラズマが磁力線から離脱するかどうかである。そこで、デタッチメントの検証に必要な、電子の速度ベクトルや磁場変化を十分な精度で計測する手法を確立しつつ、デタッチメントが検証できるように数値解析を高度化し、実験と数値解析の両面から、デタッチメント現象の背後にある物理機構を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、従来の宇宙輸送システムを一新するゲームチェンジャーとなり得る「レーザー核融合ロケット」の実現に向けて、検証実験と数値解析の相違の要因を解明することである。構築してきた数値解析と検証実験では5倍ほど数値解析で得られる力積が多く、数値解析に考慮されていない物理が存在する。その候補の一つがデタッチメント、すなわちプラズマが磁力線から離脱するかどうかである。デタッチメントは、磁気モーメント保存の破れが原因ではないかと考えられるため、実験と数値解析の両面から、定量的な検証を行い、デタッチメントの背後にある物理の解明を目指している。 2021年度に得られた成果として、磁気モーメント保存の破れを検証できるように、イオンも電子も粒子として取り扱う第一原理計算を実施した。計算コストの削減のため、3次元ではなく、2次元での計算を実施したところ、イオンのみならず、電子も磁力線から離脱していく事が確認できた。これは電子もデタッチするということを実証したきわめて重要な結果である。残念ながら出力データが膨大なため、デタッチの物理は未解明のままであるため、今後データ処理を進めていく。 実験からのアプローチとして、電子の速度ベクトル計測と磁場の可視化が必要であるため、二つの計測システムの検討を行った。速度ベクトルに関しては、協同トムソン散乱計測を実施したが、電子項はプラズマからの発光が強すぎて計測できなかった。今後は自発光の影響を抑制できるような計測体系への変更や、別の計測手法の採用を検討していく。磁場の可視化に関して、イオンバックライト法から磁場の再構築を試みた。イオンとしては、ペタワットレーザーを照射して生成する数MeVのプロトンを用い、RCFでプロトンの空間分布を同定し、空間分布より磁場の再構築を試みた。再構築した磁場は他の計測と矛盾せず、磁場再構築法として採用できるめどが立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一原理計算によるイオン・電子双方の磁力線からの離脱が確認されるなど、着実に成果を上げている。また磁場の可視化に関しても、めどが立った。速度ベクトル計測に関しても、世界的な半導体不足のために、当初の予想以上に導入が遅れていた宇宙空間模擬装置は今年の秋に導入できる見込みが立った。この宇宙空間模擬装置を用いることで、ノイズを減らした計測ができるようになるため、進捗状況としてはおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
第一原理計算において、膨大なデータの海から何に起因してデタッチが起きているのかを検証していく。個々の粒子の磁気モーメント保存に着目しながら、デタッチするタイミングでどのような現象が起きているのかを統計的に解析していく。その過程において、核融合プラズマにおいても異常輸送の要因として研究されているプラズマ揺動(ゆらぎ)と相関があるのか、またプラズマ揺動はどのような揺動なのか同定をしつつデタッチの物理を解明していく。また、現在は計算コスト削減のため、イオンと電子の質量比を100としているが、まずはプロトンと電子の質量数でどのようになるのかを検証する。さらに実験との比較を行うため炭素イオンと電子の質量比での計算出来るように、並列化の検討を行う。 実験においては、秋に導入予定の宇宙空間模擬装置を用いて、速度ベクトル計測に当たる。トムソン散乱は昨年度構築した分光器を用いて行うが、集光系などを改良して当たる。協同トムソン散乱だけではなく、非協同トムソン散乱での計測も試みる。磁場解析のためのイオンバックライト計測の妥当性検証を進めていく。既知の磁場を用いて、磁場の再構築が可能かどうかの検証とともに、イオンビームの質に対する感度解析を行い、最適なイオン源作成の指針作りを目指す。また納期が半年と長い高速応答バルブが届き次第イオン源の改良にも取り組む。並行して検出器もどの検出器が最適なのか、検討を行う。
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