Exploration of New-Type Proton Conductors via Intrinsic Oxygen Vacancy Layers
Project/Area Number |
21K18182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 26:Materials engineering and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八島 正知 東京工業大学, 理学院, 教授 (00239740)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | イオン伝導体 / プロトン伝導体 / 新物質探索 / 構造物性 |
Outline of Research at the Start |
プロトンは水素の陽イオンH+である.エネルギー・環境問題を解決するために,プロトンが高速で伝導する新しい材料(プロトン伝導体)の開発が望まれている.本課題では、酸素原子が最密充填しておらず,本質的な酸素原子の空席(酸素空孔)を持つ新しいプロトン伝導体を探索することを目的としている.結晶構造データベースを用いてスクリーニングした候補材料を実際に合成して,プロトン伝導性と結晶構造を調べ,新しいプロトン伝導体を開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は従来の高イオン伝導体の材料設計法である「アクセプタドーピングによる伝導度向上」とは全く異なる新しい手法「本質的な酸素空孔を利用することによる、新型高イオン伝導体の探索」を提案して実証すること、イオン伝導の構造的要因を明らかにすることを目的としている。2022年度は,新型プロトン伝導体を発見し,高いプロトン伝導度のメカニズムを解明した。プロトン伝導体は,プロトン(H+)が伝導する物質であり,水素ポンプやプロトンセラミック燃料電池など幅広い応用のある,クリーンエネルギー材料として期待されている.しかし,これまで中低温域で高いプロトン伝導度を示し,安定・安価な材料の報告は少なかった.従来の候補材料であるAMX3ペロブスカイト型プロトン伝導体では,高い伝導度を実現するためにアクセプタドーピングが必要であり,安定かつ高純度な試料の合成が困難なこともあった.一方,六方ペロブスカイト関連酸化物は,アクセプタドーピングを行うことなく高いプロトン伝導度を示す新材料として注目されているが,その伝導メカニズムは知られていなかった.本課題では六方ペロブスカイト関連酸化物β-Ba2ScAlO5が新型のプロトン伝導体であることを発見した.さらに,第一原理分子動力学シミュレーションを行い,この新材料のプロトン伝導メカニズムを解明した. 六方ペロブスカイト関連酸化物であるβ-Ba2ScAlO5とα-Ba2Sc0.83Al1.17O5,ならびに六方ペロブスカイト関連酸化物と類似の結晶構造を持つBaAl2O4のプロトン伝導性を調べた.これらはいずれも本質的な酸素欠損層を結晶構造中に含む. また,不規則構造を持つ六方ペロブスカイト酸化物における隠れた規則性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題は従来法とは全く異なる新手法により、新型高プロトン伝導体をいくつも発見しているだけではなく、その伝導メカニズムを明らかにしており,当初の計画以上に進展している. 中でもβ-Ba2ScAlO5はアクセプタドーピングなしで,中低温域においてBaCeO3固溶体に匹敵する最高クラスのプロトン伝導度を示すことが分かった.また,実験結果と第一原子分子動力学計算の結果から,本質的な酸素欠損層が存在するだけでは高い伝導度を示さないこと,酸素欠損層の他に最密充填層(ScO6八面体層)が存在するβ-Ba2ScAlO5では,プロトンが最密充填層内を大きく移動するが,最密充填層を持たないBaAl2O4ではプロトンが移動できないことがわかった.すなわちβ-Ba2ScAlO5における高いプロトン伝導度は,プロトン伝導が起こるScO6八面体層と水和が起こる本質的な酸素欠損層の両方が存在するために発現することが明らかになった.このことはプロトン伝導性六方ペロブスカイト関連酸化物を設計する指針になると考えられる.本成果は,ドイツの学術誌Advanced Functional Materialsに掲載され,プレス発表も行い,日経電子版や日経産業新聞でも取り上げられた.また,セラミックス誌のトピックス記事を依頼されて執筆した.また,不規則構造を持つ六方ペロブスカイト酸化物における隠れた規則性を見出した.この成果はNature Communicationsに発表すると共にプレスリリースも行った.これらの成果により国際会議、国内会議で基調・招待講演を行うと共に、依頼解説記事も執筆した。また、国際・国内共同研究を積極的に行った。若手・学生を育成し、2022年度の学会等での受賞は6件にもなっている。以上の理由より、研究は当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、本質的な酸素空孔層を含むβ-Ba2ScAlO5などを発見することに成功した。これらの成果は、従来の高イオン伝導体の材料設計法である「ドーピングによる伝導度向上」ではなく、本課題で提案している、全く異なる新しい手法「本質的な酸素空孔による、新型高イオン伝導体の探索」によって実現された。2023年度以降は本質的な酸素空孔を含む、より多くの新物質を探索することに挑戦していく。本質的な酸素空孔を含むプロトン伝導体や酸化物イオン伝導体の伝導機構は殆ど研究されておらず、構造物性の研究も多くの成果が上がると期待できる。 世界最高クラスのプロトン伝導度を示す新型プロトン伝導体を発見しつつあるので、中性子回折や電気伝導度の水蒸気分圧依存性や熱重量も検討する。特に、中性子回折により水素(プロトン)の位置と熱振動を調べることが重要である。これらプロトン伝導体および発見した世界最高クラスの酸化物イオン伝導体の類縁物質を探索して、より優れたプロトン伝導体および酸化物イオン伝導体の発見を目指す。発見した新物質について、電気伝導度の温度および酸素分圧依存性および水蒸気分圧依存性、高温X線回折と中性子回折による高温における結晶構造とその変化および相転移について調べ、新しい構造科学分野を切り開いていきたい。さらに、第一原理分子動力学計算を行い、プロトンや酸化物イオンの移動メカニズムの研究も推進する。引き続き国際・国内共同研究を積極的に行い、若手・学生を育成し、国際的なプレゼンスも高めていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(115 results)
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[Presentation] 共鳴X線回折と固体NMRにより明らかになった 不規則系Ba7Nb4MoO20における隠れたMoの規則占有2023
Author(s)
安井雄太, 丹所正孝, 藤井孝太郎, 作田祐一, 後藤敦, 大木忍, 最上祐貴, 飯島隆広, 河口 彰吾, 小林慎太郎, 大坂恵一, 池田一貴, 大友季哉, 八島正知
Organizer
日本セラミックス協会2023年年会
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[Presentation] 共鳴X線回折、NMRおよび中性子回折によるイオン伝導体のNb/Mo占有規則とプロトン位置の解明2023
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[Presentation] Oxide-ion conductivity and structural disorder of hexagonal perovskites Ba7Nb3.9Mo1.1O20.05 and Ba3MNbO8.5 (M = Mo, Nb)2022
Author(s)
Yuta Yasui, Yu Zhou, Takafumi Tsujiguchi, Yuichi Sakuda, Kotaro Fujii, Shuki Torii, Takashi Kamiyama, James R. Hester, Stephen J. Skinner, Masatomo Yashima
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