Project/Area Number |
21K18226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 教授 (00231150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光田 靖 宮崎大学, 農学部, 教授 (30414494)
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
平田 令子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50755890)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | 森林施業 / 気候変動適応 / 長伐期化 / 広葉樹林化 / 目標林型 |
Outline of Research at the Start |
現在の森林施業研究、すなわち、目標林型へ誘導する最適解を示すだけの従来の施業研究では気候変動をはじめとする将来の不確実性に適応できない。本研究は「目標林型が途中で変更されることを前提とした新たな施業体系の構築」を目標とし、その先駆けとして、「目標林型の変更が可能な施業技術の開拓」を行う。 具体的には、(1)従前の40年伐期の林業から長伐期大径材生産への変更、(2)スギ樹種一斉林から広葉樹林への林種再転換を前提に、当初の目標林型設定で考慮すべき条件・範囲と目標変更前後の林型誘導方法を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
・中課題(1)長伐期大径材生産への変更を考慮した施業:(ア)スギ特定母樹等27系統の若齢木で枝分布調査を行い、樹冠量と幹成長との関係を成長解析により分析し、若齢段階で既に枝の生産効率NARよりも枝量が成長を支配することを明らかにした。(イ)スギ強度間伐試験地および宮崎大学キャンパス内の台風被害林分試験地の成長モニタリングを行い、樹冠パラメータと幹成長の関係を分析し、有効な樹冠量指標を抽出するとともに、樹冠長率がC:F比を指標する有用なパラメータであることを明らかにした。また、強度間伐試験でもレーザー計測による樹冠データを取得し、次年度の最終モデル構築の準備を整えた。また、ヒノキ列状間伐試験地のモニタリング結果を分析し、列状間伐で間伐効果が見られない原因の一部が個体の樹冠構造にあることを見出した。(ウ)前年度までに新型コロナの影響で実施できていなかった台湾でスギ林調査を行い、材組織分析用の資料を採取した。 ・中課題(2)広葉樹林化(林種再転換)を考慮した施業: (ア)過去に設置した帯状伐採による広葉樹林化試験地のモニタリングを実施し、急傾斜地の事例では前生稚樹蓄積量の広葉樹林化に対する貢献度が大きくないこと、および伐採幅が光環境を通して更新樹種の多様性に影響を与えることを明らかにした。(イ)種子源配置の最低条件については、過去に小面積皆伐を実施したモザイク状のスギ異齢人工林の19年後のモニタリングを完了した。このデータを分析した結果、壮齢マトリックスへの隣接が若齢時の「幹の排除」の抑制や「下層の再侵入」の促進に影響する可能性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度にコロナ禍により実施できなかった台湾のスギ人工林を対象とした調査を実施することができた。それ以外の項目についても、追加試験地の設定も含めて概ね予定の年度計画を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
・既往試験地のスギの成長をモニタリングするとともに、コア採取による年輪解析を実施して、間伐前、台風被害前に遡った樹冠量-成長量関係の解析を行う。また、レーザー計測による樹冠量指標を用いて成長モデルを精緻化する。 ・広葉樹林化については、過去の帯状伐採による広葉樹林化試験地を新たに複数モニタリングし、前生稚樹蓄積量および種子源からの距離が広葉樹林化に与える影響を解析するデータを補強する。また、小面積皆伐によるスギ異齢人工林の下層植物分布の詳細を分析し、スギ老齢パッチの種子源としての効果を分析する。 ・台湾で採取した材試料の分析を行い、温暖化が材質変化に与える影響を予測する。
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