Project/Area Number |
21K18332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大河内 直之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (30361679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布川 清彦 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (90376658)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | バリアフリー / 映画 / 演劇 / アクションリサーチ / 当事者研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,映像製作におけるバリアフリーに関するアクションリサーチを用いた当事者研究である.視覚障害当事者研究者である研究代表者が,ドキュメンタリー映画を製作し,その過程で生じるバリアを明らかにし,そのバリアを解決する.そして,本研究での製作者側のバリアフリーとこれまでに研究されてきた鑑賞者側のバリアフリーを合わせて,真のバリアフリー作品とは何かについて考察する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度も、引き続きバリアフリー映画・演劇の製作者並びにそれらを評価する当事者モニターに対するヒアリング調査と、実際に研究代表者がドキュメンタリー映画を製作するアクションリサーチを実施することを想定して研究を推進した。 ヒアリング調査については、バリアフリー演劇の芸術監督にインタビューを行い、「詩劇」というセリフを中心とした演劇の取り組みについて話を伺うと共に、そのバリアフリー化、とりわけ音声ガイドの在り方について示唆を得た。また、障害者の芸術作品に関する鑑賞サポート相談窓口事業を実施する団体の代表に話を伺い、上映情報・チケット購入・劇場アクセス等のバリアが依然として存在し、コンテンツ製作のみならず、鑑賞環境や情報提供におけるさらなるバリアフリー化が求められていることを把握した。 ドキュメンタリー映画製作のアクションリサーチについては、2023年度は研究代表者が定期的にICT支援を行っている盲ろう者1名に対して、講習の現場にカメラを持ち込み、実際の講習の状況を記録することを試みた。しかしながら、視覚障害のある研究代表者が実際に自ら講習を行いながら撮影も行うことは想定以上に難しく、映画として活用が可能な映像を撮ることがなかなかできなかった。また、スマートフォンによる撮影環境についても、使用している撮影キットが研究代表者にうまく扱えず、さらなる撮影環境の改善が必要なことがわかった。そのため、2023年度は1名の盲ろう者のみの撮影に留め、撮影環境の改善を行い、次年度に複数名の盲ろう者に対する撮影を行うこととした。 その他、バリアフリー映画・演劇の最新動向について情報収集を行い、次年度の研究実施に向けた準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度も引き続き、バリアフリー映画・演劇の製作者並びにそれらを評価する当事者モニターに対するヒアリング調査の実施と、研究代表者がドキュメンタリー映画を製作しながら製作者側のバリアを明らかにするアクションリサーチの撮影をスタートさせることを目標としていた。 ヒアリング調査については、バリアフリー演劇の演出家や、オンラインではあったものの、視覚障害当事者3名に対してインタビュー調査を実施し、映画・演劇のバリアフリー製作に関して、製作者・ユーザ双方から情報収集を行うことができた。 一方、アクションリサーチについては、撮影の対象としていた盲ろう者のICT支援事業が、2023年度も引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け実施できなかったため、撮影をスタートすることができなかった。よって、視覚障害のある代表者が撮影にスムーズに参画できるようにするための準備等を行い、次年度以降の撮影に備えた。 上記を踏まえて、本研究の進捗状況を「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、盲ろう者1名の撮影に留まったドキュメンタリー映画製作のアクションリサーチについて、3名を目標に撮影を実施することを最優先に取り組む。 上記を達成するために、1)撮影体制の再構築、2)支援体制の充実、3)機材の見直しを図り、ICT講習を実施しながら撮影が行える環境を整備する。同時に、視覚障害のある研究代表者が撮影する上で、どのような問題が起きているかを明らかにするため、もう1台のカメラにて、研究代表者の撮影・講習の状況を撮影・記録する。 同時に、バリアフリー映画や演劇の製作関係者並びにそれらを評価する当事者モニターに対するヒアリング調査も継続し、コンテンツの製作バリアのみならず、鑑賞環境や情報アクセスのバリアについても明らかにする。 さらに、ヒアリング調査とアクションリサーチにより収集されたデータをもとに、バリアフリー映画・演劇の製作における、とりわけ視覚障害におけるバリアとその解決方法についての分析を行う。
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