History of mentalities on 'over-foreignization': transformation of the meaning of 'otherness' in Switzerland
Project/Area Number |
21K18337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
葉柳 和則 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (70332856)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | スイス史 / 心性史 / 移民・難民 / 文化政策 / よそ者過剰 / スイス / 移民 / 外国人労働者 / 他者 / メディア / テキストマイニング |
Outline of Research at the Start |
Ueberfremdungという言葉の意味内容の変遷を指標として、20世紀以降のドイツ語圏、特にスイスにおける他者排除の心性を通時的に明らかにする。資料・データは、マックス・フリッシュ、フィリップ・エッターといった政治家・知識人の演説と書簡、および「新チューリヒ新聞」、「スイス月報」といった新聞・雑誌の記事である。定性的な手法による解釈と、テクストマイニングを用いた定量的分析とを組み合わせて、資料・データにおけるキーワードの意味内容と意味連関の変容を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
「よそ者過剰」言説の思想的背景のひとつとなった「精神的国土防衛」の主導者、フィリップ・エッターの思想形成過程について、日本国際文化学会全国大会(7月・神戸大学)で発表し、その成果を論文にまとめ『独文学報』(38号・大阪大学ドイツ文学会)に投稿し、掲載された(11月)。この研究を通して、ナチズムとファシズムに囲繞されつつあった、1930年代にスイスにおいて、多言語・多文化国家の国民統合を成し遂げるために、軍事的・経済的・精神的(=文化的)国土防衛の必要性が強調されてていったことが明となった。それは、スイスの独立と民主主義を防衛するために、「全体主義に抗する全体主義」と評しうる、逆説的な体制を構築することを意味していた。エッターは文化政策担当閣僚として、この「精神的国土防衛」の国策化を推進した。この外敵に対する排除を基調とする文化政策は、戦後の「よそ者過剰」言説の源流であった。 マックス・フリッシュの散文テクスト『よそ者過剰 I』(1965)と『よそ者過剰 II』(1966)、およびこの2つのテクストの理解に資するフリッシュの散文を翻訳した。この作業を通して、「よそ者過剰」という概念が、19世紀末の反ユダヤ主義から、20世紀後半の外国人労働者に対する市民の反感に至る射程を持つことが再確認できた。しかし、2つの理由、(1)原著の出版社であるSuhrkamp社との版権交渉が難航したこと、および、(2)『よそ者過剰 I・II』の背景にある「スイス固有の文脈」を理解するためには、膨大な訳注と論考が必要であったことのため、2022年度中の出版は断念せざるをえなかった。しかし、2023年3月に版権の問題が解決したため、出版社(鳥影社)と交渉し、2023年度中には出版の見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表、発表成果の論文化に関しては、初期の成果を収めることができた。2022年9月に行った資料調査も順調であった。しかし、【研究実績の概要】に記したように、フリッシュの『よそ者過剰 I』(1965)と『よそ者過剰 II』(1966)の翻訳出版に関しては、2023年度に持ち越した。しかし、出版が中止になった訳ではなく、原著の出版社、翻訳の出版社、双方との交渉は完了しており、出版の実現の見通しは立っている。そおため「おおむね順調に進展している」と自己判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は引き続き、学会発表、論文執筆、資料調査を行い、さらに『よそ者過剰』の翻訳を上梓する。学会発表は、国際シンポジウムINTERFACEing 2023においてドイツ語で行い、その成果は学術誌INTERFACEに英語で投稿する予定である。『よそ者過剰』の翻訳については、訳文、注、論考は一通りできているため、訳文のチェック、注のファクトチェックを行いつつ、スイスで実施する秋の資料調査の際に、使用する写真の著作権処理を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)