ベルギー・オランダ語圏のテクストにおけるポリグロシアの日本語翻訳に関する研究
Project/Area Number |
21K18366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 2:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
井内 千紗 拓殖大学, 商学部, 准教授 (30700132)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ベルギー / 翻訳 / オランダ語 / ポリグロシア |
Outline of Research at the Start |
ベルギー・オランダ語圏の文芸作品を事例に、多言語の使い分けを意味するポリグロシアの翻訳ストラテジーを考察する。学術的な観点からポリグロシアの日本語翻訳に関する方法論を確立し、言語面で多様性を有するテクストの翻訳実践に寄与することを目的とする。本研究は蘭学を中心に発展してきた蘭和翻訳を現代のコンテクストで捉え直す点、二言語間の翻訳研究では看過されてきた言語多様性を有するテクストの日本語翻訳に着目するという点において、学術的独自性を有している。長期的にはベルギー・オランダ語圏にとどまらず、世界各地でみられる複雑な言語事情を背景とするポリグロシアの翻訳実践の一助となることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
<課題1:ポリグロシアに関する調査・分析>文芸作品に見られるポリグロシアの理論について、文献調査を実施し、世界文学論、翻訳研究に加え、社会言語学の観点からも検討を行った。特に、世界文学論に関連して、文学作品の国際的な流通をめぐる課題の変遷が明らかとなり、<課題2>で実施している調査のヒントになった。 <課題2:蘭和翻訳の通時的展開に関する調査>昨年度に引き続き、日本におけるオランダ語文学の翻訳および受容の実態に関する調査を行った。今年度は、国民文学の観点から「ベルギー文学」(フランス語およびオランダ語)が日本でどのように紹介されてきたのか、19世紀末から20世紀半ばに出版された文学概論をもとに資料収集および分析を行ない、史的展開を整理した。また、言語・文化・市場・政策という重層的な条件を考慮に入れながら、<課題1>で得られた知見をもとにベルギー・オランダ語圏の文学作品の国際流通をめぐる課題について、分析を行った。昨年度および上記の調査結果をもとに、日本におけるベルギー・オランダ語文学の受容をめぐる弊害を明らかにし、その成果を口頭発表(計3回)、論文を寄稿(令和5年度に出版を予定)した。 <課題3:翻訳ストラテジーの分析>日本語に翻訳されたベルギー・オランダ語文学作品のテクスト(日本語およびオランダ語)を入手し、テクスト分析に向けて電子化等の準備に着手した。また、今後の分析にあたり、他の言語の翻訳テクストも参考にするため、各作品の翻訳状況について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は令和3年度に実施できなかった現地調査を実施することができた。現地で分析に必要な資料やテクストをある程度入手することができた。また、研究会で2回、国際シンポジウムで1回の計3回、研究成果を発表する機会を得て、これまでの調査内容を整理し、他の研究者と共有、意見交換することができた。他方、今年度は上記<課題2>の調査に予想以上に時間を要し、<課題3>について、本来計画していた資料収集を完了させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、ポリグロシアの翻訳ストラテジーの分析を実施するため、なるべく早めに資料収集を完了し、分析に着手する。成果は所属する研究会や学会で随時報告し、論文にまとめる。なお、当初の計画では、映像作品も分析の対象とする予定であったが、期間内に資料を収集することが困難であるため、本課題については文学作品に対象を絞って研究を進めることとする。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)