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縄文人の農地開拓の歴史を鍾乳石と土から読み解く

Research Project

Project/Area Number 21K18393
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

加藤 大和  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (70782019)

Project Period (FY) 2021-07-09 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Keywords植生変動 / 土壌 / トゥファ / プラントオパール / 石筍 / 凝集同位体 / 古気候 / 植生変化 / 縄文時代 / 植生改変 / 鍾乳石 / 植物ケイ酸体
Outline of Research at the Start

日本の植生は、完新世(約1万年前から現在までの時代)の初期から中期に大きく変化した。最終氷期後の温暖な気候の下、日本列島へ拡散した縄文人が大規模な農地開発をおこない、森林を草原植生へと改変したと考えられる。
本研究は、日本各地の鍾乳石と土壌に遺された同位体情報や植物遺骸を紐解き、縄文人による植生改変の過程や空間的な拡がりを、完新世の気候変動と関連付けながら、高い時間分解能で明らかにすることを目的とする。

Outline of Annual Research Achievements

本年は、土壌プラントオパール分析による植生変動解明のため、東北地方と鹿児島県徳之島から得られた土壌、および陸域炭酸塩試料の分析を行なった。福島県のあぶくま洞や入水鍾乳洞に近い仙台平カルストにおいて、表層から深さ約1メートルの深さまで採取した土壌からは、人為的な植生改変の証拠を示す草本起源のプラントオパールが豊富に見出された。本地域での研究成果について、現在公表準備を進めている。
鹿児島県徳之島のトゥファ試料から、プラントオパールを抽出する試みも大幅に進展した。トゥファは解放環境で形成される河川成の炭酸塩岩であり、通常、年間数ミリメートルの成長速度で堆積し、内部に明瞭な年成長線が刻まれる。徳之島から採取した厚さ約25cmのトゥファには、30年分程度の成長線が刻まれていた。電気炉を用いてトゥファを灰化処理した後、プラントオパールの抽出と検鏡作業を行なった結果、南西諸島に特有のハチジョウススキやリュウキュウマツ、ヤシ類の増減が見出されたほか、サトウキビ由来と思われるプラントオパールも含まれていることがわかった。本成果について、日本地質学会第130年学術大会において口頭発表を行った。
上記の古植生研究に加え、人為的な植生改変活動のバックグラウンドとなった古気候変動の研究もおこなった。本年は、三重県から採取した、過去約8万年ほどの記録を持つ石筍の炭酸凝集同位体を九州大学にて測定した。本石筍の凝集同位体変動カーブには、最終氷期における周期的な寒冷化や、完新世の温暖化が記録されていた。これまでの本邦の石筍凝集同位体データより長期の陸域気温変動歴史を復元できたばかりでなく、気温変化に付随した古降水変動も解明できた。本成果について、炭酸塩コロキウム2023において口頭発表を行い、英語論文として国際誌へ投稿する準備も進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年は、昨年までの調査で得た研究試料からいくつかの成果が得られ、研究が大幅に進展した。本来土壌や植物遺骸から抽出することの多いプラントオパールを、トゥファから抽出する手法を確立できたことなど、研究計画当初の予定にはない成果を得られたほか、本邦における人類活動のバックグラウンドとなった古気候記録まで解明することができた。
一方、研究に適した土壌試料収集の難しさから、研究計画当初に予定していたいくつかの地域で研究が遅れている。
総合的に研究計画はやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

仙台平カルストの土壌から抽出、検鏡をおこなったプラントオパールの植物群集変化記録に、土壌有機物の放射性炭素年代データを合わせ、論文としての成果公表を行う。
徳之島のトゥファから抽出したプラントオパールに基づく南西諸島特有の植生変動記録について、論文としての成果公表を行う。トゥファからのプラントオパール抽出手法については、本研究で開発したその技法自体も強調する予定である。さらに、研究に使用したトゥファの炭酸凝集同位体や安定酸素同位体の分析を行い、過去の温度変化やそれに付随する水環境の変化を読み解き、植生変動記録と合わせて議論を深める予定である。徳之島においては、さらに長い形成年代をもつトゥファ試料もすでに得られており、より長期の人為的植生変化史の復元も計画している。
三重県産石筍から得られた古気候データについて、英語論文を作成し、国際誌へ投稿する予定である。
高知県でのボーリング掘削による土壌調査も計画しており、研究に適した試料が得られれば、早急に分析と成果公表を行う予定である。

Report

(3 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Coevolutions of terrestrial temperature and monsoonal precipitation amounts from the latest Pleistocene to the mid-Holocene in Japan: Carbonate clumped isotope record of a stalagmite2023

    • Author(s)
      Kato Hirokazu、Mori Taiki、Amekawa Shota、Wu Chung-Che、Shen Chuan-Chou、Kano Akihiro
    • Journal Title

      Chemical Geology

      Volume: 622 Pages: 121390-121390

    • DOI

      10.1016/j.chemgeo.2023.121390

    • Related Report
      2022 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 炭酸凝集同位体による古温度復元について、 これまでの成果と今後の展望2024

    • Author(s)
      加藤大和、村田 彬,佐久間杏樹、狩野彰宏
    • Organizer
      炭酸塩コロキウム2023
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 徳之島産トゥファからのプラントオパール抽出と植生記録2023

    • Author(s)
      加藤 大和,村田 彬,狩野彰宏
    • Organizer
      日本地質学会第130年学術大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 日本産石筍が記録したハインリッヒイベント期の気候2022

    • Author(s)
      加藤 大和, 森 大器, 狩野 彰宏
    • Organizer
      日本地質学会第129年学術大会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

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Published: 2021-07-13   Modified: 2024-12-25  

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