Project/Area Number |
21K18569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 10:Psychology and related fields
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
横田 晋大 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (80553031)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 黒い羊効果 / 閉鎖性 / いじめ / 集団の閉鎖性 |
Outline of Research at the Start |
集団の閉鎖性が黒い羊効果に影響することを検証するため、2021年度は質問紙実験、2022年度は実験室実験を行う。質問紙実験では、Marques et al. (1988) のStudy 2の実験の追試を通じ、参加者の所属集団を国籍・大学・部活と変更した3つの実験を実施する予定である。2022年では、集団の閉鎖性によってもたらされた黒い羊効果が、内集団成員への攻撃行動として現れるか否かを実験室実験で検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
なぜいじめが起きるのか、との問いは、社会心理学をはじめとして様々な社会科学の分野で検討されてきた問いである。社会心理学者は、いじめにつながるオストラシズム(個人を集団成員や集団全体で拒絶・排斥すること)をもたらす心理機構の解明がある。しかし、オストラシズムといじめの間には自身でリスクを負うか否かという違いが存在する。そのため、オストラシズムをいじめに発展させる攻撃がなぜ起こるかを明らかにする必要がある。 そこで本研究では、オストラシズムの必要条件が集団の閉鎖性であると考える。本研究で扱う閉鎖性とは集団への参加・離脱の困難さである。閉鎖された集団では排斥される側が集団を離脱できないため有効である。そこで、本研究では、閉鎖性が強くなると、オストラシズムが起こり、人々の攻撃性が高まるだろう、との仮説を立て、実験的手法を用いて検証する。 本研究では、黒い羊効果 (Marques, 1986) を検証した実験の追試を行う。黒い羊効果とは、優れた/劣った内集団成員を外集団成員より極端に評価することである。この効果は集団規範を顕現化させると顕著に見られるため、集団の秩序を守るために逸脱者を排除するよう導くオストラシズムを支える心理機構だと言える。 Marques et al. (1988) のStudy 2の実験を追試するため、大学生を対象として調査した。しかし、黒い羊効果自体が得られなかった。そのため、シナリオの改良および対象集団を大学から国に変更して同様の追試を行った。ただし、黒い羊効果自体が再現されないことから、文献レビューに基づき、異なる手法を用いた黒い羊効果の再現を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本人を対象とした場合、少なくともMarques et al. (1988) の手法を用いても、黒い羊効果が再現されないことが示されてきた。本研究における閉鎖性の効果を検討するためには、黒い羊効果が再現されることが第一歩であるが、その前提が成り立っていないことが研究の進度を妨げている。
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Strategy for Future Research Activity |
黒い羊効果が再現されない理由の一つとして、規範の違反者に対する評価を尋ねたことが考えられる。規範を逸脱することは社会への復帰を難しくさせることから、悪く評価しなくても、社会全体で制裁を加えられるシステムが日本には存在する。そのため、規範以外の評価の次元を検討する必要があるだろう。
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