Project/Area Number |
21K18588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀬片 純市 九州大学, 数理学研究院, 教授 (90432822)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 関数方程式 / ネットワーク / 調和解析 |
Outline of Research at the Start |
六角結晶状の物質であるカーボンナノチューブ, 屈折率が周期的に変わるナノ構造体であるフォトニック結晶など, 約30年程前よりミクロン以下という非常に小さなグラフ状の構造を持つ素材が開発され始めた. それらの構造体の特性を探るため, グラフ上での量子的粒子の運動の解析が注目されるようになり, 工学のみならず数学的な立場から, 主に線形の偏微分方程式を通して研究されている. 本研究ではネットワーク上の非線形シュレディンガー方程式を通して, グラフ上の量子的粒子の運動を解析する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, ネットワーク上の量子的粒子の運動を, グラフ上で非線形シュレディンガー方程式の適切性(解の存在, 一意性, 初期値連続依存性)や解の長時間挙動を調べることで解明することである. 本年度は昨年度に引き続き, グラフ上の非線形シュレディンガー方程式に対し解の長時間挙動について考察した. グラフが星形の場合には直線上のシュレディンガー方程式に対する手法を援用することできるため, 解の長時間挙動に関する結果は多くあるが, グラフが星形でない場合は同様の手法を用いることは一般に困難である. そこで本研究ではグラフが星形でない場合の解析の1つのステップとして, グラフがオタマジャクシ型と呼ばれる場合にそのグラフ上の線形および非線形シュレディンガー方程式の解の長時間挙動について考察した. また, 関連する問題として, 空間1次元において3次の非線形項をもつ非線形シュレディンガー連立系(システム)の解の長時間挙動について考察した. 空間1次元において3次の非線形項はちょうど長距離型と短距離型散乱理論の境目に相当し, 解の長時間挙動を調べることは容易でない. これまでの研究では, 方程式のハミルトン構造に着目することでスカラーの場合に現れなかった解挙動をもつシステムの例を見つけてきたが, 本年度はハミルトン構造によらない別のアプローチにより, これまでとは異なる解挙動をもつシステムの例を見つけた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グラフの特別な場合と見なせる空間1次元において, 3次の非線形項をもつ非線形シュレディンガー連立系の解の長時間挙動についてはいくつか進展があったものの, 一般のグラフ上の非線形シュレディンガー方程式に対しては, 対応する線形シュレディンガー作用素のスペクトルの構造が複雑で, 解の情報を引き出すのに当初の計画より時間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
グラフ上の非線形シュレディンガー方程式の解の長時間挙動について, スペクトル理論や調和解析の理論を駆使することで本問題にアプローチにする. また, 本研究を推進するため, 偏微分方程式やグラフ理論, 調和解析の専門家を招聘し研究集会を開催する.
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