Novel Cell Function Control Using Plasma Selective Transport and Radical Reaction Delay under Tesla-class Strong Magnetic Field
Project/Area Number |
21K18613
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 14:Plasma science and related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 俊郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30312599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 渉太 東北大学, 工学研究科, 助教 (90823526)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 気液界面プラズマ / テスラ級強磁場 / プラズマ選択輸送 / 液相中ラジカル / 細胞機能制御 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,強磁場MRI装置により腫瘍細胞をリアルタイムに観察しながら高効率でプラズマ薬剤導入治療を行える装置を開発すべく,MRI装置を模擬したテスラ級の強磁場中で,液体と接触するプラズマの物理的挙動を解明し,プラズマ照射溶液中のラジカル反応への強磁場の効果を明らかにする.その結果生成される修飾有機分子による生物学的な細胞機能への作用機序を解明することで,新しい「強磁場プラズマライフサイエンス」の学問領域の創出を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,テスラ級強磁場中での大気圧プラズマ照射による新規細胞機能制御法の確立に挑戦する.2022年度は,「②強磁場中のプラズマ生成荷電粒子の輸送特性と液相中生成活性種の解析」を遂行すべく,東北大学強磁場超伝導材料研究センターの超電導マグネット専用の装置を製作し,10テスラまでの強磁場を印加した環境下でのプラズマ挙動とプラズマ照射溶液の特性を調べる実験を行った. 1.プラズマは,石英管内にヘリウムを流しながら,円筒状高電圧電極に低周波高電圧を印加することで生成した.この時,磁場は石英管の軸方向に印加した.OHラジカル検出試薬を,石英管末端からの距離を変えながら置くことで,軸方向OH生成能の距離依存性を調べたところ,印加磁場強度が8テスラ以上で急激にOH生成域が10mm程度減少した.このことは,プラズマプルームの軸方向進展長が短くなったことが要因と考えられる. 2.OHラジカル検出試薬をあらかじめ混合した液体を用いた高速液柱流に対して,プラズマ照射することで,径方向OH生成能を調べた.プルーム長当たりの径方向OH生成能は,印加磁場強度が6テスラ程度までは磁場強度に対して単調増加し,8テスラ以上で急激に増加し,その後飽和傾向にあった. 3.プラズマ照射高速液柱流中での反応過程を考察する目的で,純水を用いた高速液柱流に対してプラズマ照射し,長寿命活性種である過酸化水素と亜硝酸イオンの濃度およびpHの印加磁場強度依存性を計測した.その結果,過酸化水素濃度はOHラジカルと同様に8テスラ程度から増加するが,亜硝酸イオン濃度は磁場強度に依存しないことが分かった.また,pHは6テスラ以上で低下することが分かった. 以上の結果より,印加磁場強度が8テスラ程度以上になることで,大気圧プラズマにおいてもプラズマの輸送特性が変化し,液相中に生成される活性種が変化することが初めて明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,東北大金研の強磁場超伝導材料研究センターの超電導マグネット(最大磁場強度:10テスラ,ボア径:100mm)の内部に設置可能な「プラズマ照射溶液合成装置」を新規に製作し,現有の超電導マグネットでは実現できなかった4テスラ以上の磁場を印加した実験を行うことができた.その結果,印加磁場が8テスラ以上でプラズマ形状やプラズマ照射液柱流内で生成される活性種の変化を始めて観測することに成功した.さらに,短寿命活性種であるOHラジカルとともに長寿命活性種である過酸化水素や亜硝酸イオンの濃度およびpHの磁場強度依存性を取得することができたため,強磁場印加によるプラズマ中の電子とイオンの輸送特性の変化が液相中の活性種生成に与える効果を明らかにすることが可能となった. これらの成果により,3年目に予定しているテスラ級の強磁場中でのプラズマ照射溶液による細胞機能への作用の変化を調べる実験を実施できる環境が整ったため,おおむね順調であると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
3年目である2023年度は,「②強磁場中のプラズマ生成荷電粒子の輸送特性と液相中生成活性種の解析」をさらに進めるとともに,「③強磁場中のプラズマ照射溶液による細胞機能への作用機序の解明」を実施すべく,以下の研究を推進する. 1.強磁場印加により,イオンと電子の輸送特性の差異に起因すると考えられるプラズマ照射高速液柱流中の活性種の濃度変化が見られたため,気相プラズマ中の磁場を横切るイオンと電子の輸送特性の磁場強度依存性を方向性プローブを用いて測定する. 2.強磁場中でのプラズマ照射により無磁場中とは異なる活性種が溶液中に生成され,それにより修飾された有機分子の細胞機能への作用機序を明らかにする.具体的には,磁場強度を変化させながら,プラズマ照射直後の溶液に対して有機分子としてアミノ酸溶液を注入し,その位置で存在する活性種によるアミノ酸の修飾能を明らかにする. 3.磁場強度を変化させながらプラズマを照射した溶液中の活性種で修飾されたアミノ酸誘導体に細胞懸濁液を注入し,細胞機能への作用を明らかにする. 4.以上の成果から,テスラ級の強磁場印加によるプラズマ選択輸送と,プラズマ照射溶液中の活性種組成変化を介した有機分子修飾能向上を実現し,細胞機能への作用機序を総合的にまとめる.
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Report
(2 results)
Research Products
(59 results)