光により可逆的に重合・脱重合するペプチドからなる人工細胞骨格の創製
Project/Area Number |
21K19008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 35:Polymers, organic materials, and related fields
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松浦 和則 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60283389)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | ペプチドナノファイバー / 人工細胞骨格 / スピロピラン / β-シート / 光異性化 / 自己集合 / リポソーム / ペプチド |
Outline of Research at the Start |
本研究では、細胞内のタンパク質繊維状集合体からなる「細胞骨格」の動的制御を模倣して、重合・脱重合を可逆的に動的制御できるペプチド分子集合体からなる「人工細胞骨格」を創製する。人工細胞骨格として、ナノファイバーを形成するβ-シート形成ペプチドの任意の位置にフォトクロミック分子であるスピロピランを結合させた分子を合成し、重合・脱重合を光制御する方法論を開拓する。また、これを用いて、リポソームや細胞の変形・運動を動的制御する人工細胞骨格を創製することに挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内には、微小管・アクチンフィラメントといったタンパク質繊維状集合体からなる「細胞骨格」が存在しており、それらの伸長・収縮、繊維間での相互作用、細胞膜や細胞内分子との相互作用により、細胞の形態変化・遊走・分裂・オルガネラ配置などを動的に制御している。このような細胞骨格の動的制御を模倣して、重合・脱重合を可逆的に動的制御できる分子集合体からなる「人工細胞骨格」を創製すれば、超分子化学・ナノマテリアル化学といった学術分野の方向性を大きく転換できると期待される。これまで、外部刺激によるペプチドの繊維状分子集合体の動的制御を試みた研究がいくつか報告されているが、それらは不可 逆的な重合制御や、わずかな構造変化を誘起しているにすぎないものであり、可逆的に重合・脱重合を制御したペプチド繊維集合体からなる人工細胞骨格の創製は全く報告されていない。本研究では、ペプチドナノファイバーの重合・脱重合を光制御する方法論を開拓し、リポソームや細胞の変形・運動を動的制御する人工細胞骨格を創製することに挑戦する。 今年度までに、スピロピラン(SP)を修飾したβ-シート形成ペプチドを合成し、SPのメロシアニン(MC)への光異性化により、ペプチドナノファイバー形成・解離(重合・脱重合)を光により動的制御することに成功した。また、この光により重合・脱重合する人工細胞骨格システムをジャイアントリポソーム内に導入し、リポソームの劇的な変形を誘起することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに、中央にCys残基を有するβシート形成ペプチドFKFECKFEを合成し、Cysにスピロピランを修飾したFKFEC(SP)KFEを合成・精製することに成功した。また、CDスペクトル測定・透過型電子顕微鏡(TEM)観察により、FKFEC(SP)KFEはβシート構造形成により繊維状集合体を形成することが確かめられた。これに350nmの光を照射することで、メロシアニン(MC)に異性化したFKFEC(MC)KFEとすると、βシート構造および繊維状集合体が完全に消失することがわかった。このように、FKFEC(SP)KFEを用いることで、ペプチドナノファイバー形成・解離の光制御に成功した。 本年度は、FKFEC(MC)KFEをジャイアントリポソーム(GUV)に内包させ、光異性化によるペプチドナノファイバーの形成・解離に伴うリポソームの変形を共焦点レーザースキャン蛍光顕微鏡(CLSM)で観察した。その結果、大変興味深いことに、FKFEC(MC)KFE ペプチドを内包した球状GUVに可視光照射すると、大きな形態変化が誘起され、ワーム状ベシクルになることが観察された。このワーム状ベシクルにUV光を照射すると、球状GUVに完全に戻ることがわかった。したがって、光異性化によるペプチドナノファイバーの形成・解離により、可逆的にGUVの劇的な形態変化を誘起することに成功した。 この成果は、Frontiers in Molecular Biosciences, 10, 1137885 (2023)に論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、FKFEC(MC)KFEを内包したジャイアントリポソーム(GUV)の光による劇的な形態変化を見出したので、GUVの組成を変化させ、光による形態変化に対する膜流動性の影響を詳しく解析する。その結果を踏まえ、相分離リポソームに対する光による局所的な形態変化を誘起させるシステムを構築する。 また、肝がん由来HepG2細胞に毒性が出ない程度の濃度でFKFEC(MC)KFEをエレクトロポレーション法などで導入し、細胞内での人工細胞骨格の重合・脱重合の光制御が可能かどうか検討する。SP/MC-ペプチド内包細胞の特定位置に光プローブを用いて可視光およびUV光照射することで、細胞内に人工細胞骨格を異方的に形成させ、異方的な細胞変形・運動が誘起できるかどうかといった課題にも挑戦する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)