体内パトロール分子によるテイラーメイド合成化学治療システム
Project/Area Number |
21K19042
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 37:Biomolecular chemistry and related fields
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 克典 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (00403098)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
|
Keywords | パターン認識 / 糖鎖クラスター / パトロール分子 / 生体内合成化学治療 / がん |
Outline of Research at the Start |
「体内で常に疾患をパトロール・監視し、疾患を見つけると即時にその現場で治療を行う」。これはライフサイエンス分野における夢ですが、本研究ではこれを実現する初めての有機合成化学を確立することを目的とします。すなわち、体内を自由に動き回ることのできる分子を開発し、体内の複数の疾患のそれぞれの現場で望む治療分子を合成して効率的に治療します。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に光を駆動力とする体内パトロール分子の合成を実現したが、短波長の光照射による細胞障害性や不十分な光異性化による移動効率において問題が生じた。そこで、光に加えて体内での化学反応を駆動力とする分子の開発も行ってきた。これまでに、生体直行性官能基を含む糖鎖クラスターを合成するとともに、化学反応により糖鎖を変更して、新しい糖鎖パターンを構築できることが分かっていた。そこで本年度では、この糖鎖パターン認識の変更をマウス体内で実施することを試みた。 まずはデザインした生体直行性反応が、血中内でも良好に進行するかどうか調べた。生体直行性官能基を含む糖鎖クラスターに対して、血中内で試薬を加え、生じる糖鎖クラスター誘導体の質量分析を解析した。その結果、予想通り生体直行型の反応が進行して、糖鎖が変更されていることが分かった。この際、加える試薬の濃度に応じて糖鎖の変換率が向上し、体内で自在にパターン認識を変更できる可能性が示唆された。そこで、生きているマウス体内の静脈から、近赤外線領域に吸収を持つ蛍光色素で標識した糖鎖クラスターを導入した後、さらに静脈から試薬を作用させた。その結果、加える試薬の濃度や条件に従って蛍光色素の体内分布が変化した。糖鎖パターンの変更に従って、予想されたように血中から臓器、あるいは臓器から血中へと移行した。 以上の結果より、化学反応を駆動力として糖鎖クラスターの糖鎖パターンが体内で変化して、臓器や血中を移動することを確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の光刺激ではないものの、糖鎖パターンを化学的な刺激によって体内で移動をすることを確認できた。従って研究はおおむね順調に進展していると評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度では、化学反応を用いて糖鎖パターンを変更することによって、体内で分子が移動することが分かった。そこで今後は、がんの間を移動させることができるか検討する。さらに移動分子に対して遷移金属触媒の機能を付与することによって、それぞれのがんで選択的に分子を合成できるかどうか検討する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(124 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] The novel chiral 2(5H)-furanone sulfones possessing terpene moiety: Synthesis and biological activity2023
Author(s)
A. M. Khabibrakhmanova, R. G. Faizova, O. A. Lodochnikova, R. R. Zamalieva, L. Z. Latypova, E. Y. Trizna, A. G. Pofiryev, K. Tanaka, O. Sachenkov, A. R. Kayumov, A. R. Kurbangalieva
-
Journal Title
Molecules
Volume: 28
Pages: 2543-2543
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Mechanism of cooperative degradation of gum arabic arabinogalactan protein by Bifidobacterium longum surface enzymes2022
Author(s)
Y. Sasaki, M. Komeno, A. Ishiwata, A. Horigome, T. Odamaki, J.-Z. Xiao, K. Tanaka, Y. Ito, K. Kitahara, H. Ashida, K. Fujita
-
Journal Title
Appl. Environ. Microbiol.
Volume: 88
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] In vivo metal-catalyzed SeCT therapy by a proapoptotic peptide.2021
Author(s)
hmad, P.; Muguruma, K.; Chang, T.-C.; Tamura, S.; Tsubokura, K.; Egawa, Y.; Suzuki, T.; Dohmae, N.; Nakao, Y.; *Tanaka, K.
-
Journal Title
Chem. Sci.
Volume: 12
Issue: 37
Pages: 12266-12273
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-