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木化の力学的意義:植物細胞壁モデルの人工木化の解析

Research Project

Project/Area Number 21K19144
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

阿部 賢太郎  京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (20402935)

Project Period (FY) 2021-07-09 – 2024-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2021)
Budget Amount *help
¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
KeywordsCellulose / Nanofiber / Microfibril / Lignification / Growth stress / 木化 / セルロースナノファイバー / 成長応力 / 樹木
Outline of Research at the Start

木化は強靭な樹木において極めて重要な現象であるが,木化の機能とされる細胞壁の強化や疎水化について実証された例はほとんど無い.本研究では精緻な植物細胞壁モデルを一から構築し人工木化を行うことで,樹木細胞壁における木化の力学的意義を実証する.具体的には,木材由来のセルロースミクロフィブリルからゲルを作製し,ヘミセルロースを添加することで,細胞壁モデルを構築する.この基板内にリグニンを人工的に堆積させ,ゲル基板の性質変化やリグニンの体積の様子を解析する.さらに,木化による樹木の成長応力発現についても検証を行う.

Outline of Annual Research Achievements

今年度は木材から単離したセルロースミクロフィブリル(CMF)から,CMFゲルを作製し,その内部に人工リグニンを十分に堆積させるための詳細な実験条件を検討した.CMFゲルは木材本来のミクロフィブリルの形状および結晶性を有していることは確認済みである.人工リグニンは基質(今回はコニフェリルアルコール),酵素(ホースラデッシュペルオキシダーゼ)および過酸化水素水を混ぜることで簡単に作製可能である.しかし,ゲル外部で人工リグニンを反応させると,重合と凝集によって巨大なリグニン粒子が形成されるため,緻密なネットワーク構造を持つゲルの内部にその粒子が侵入することができなくなる.そこで,本研究ではエタノールを用いることで,リグニンの重合と凝集(とくに凝集)を阻害した.上記の原料をエタノール水溶液に溶解させ,ゲルを十分に浸漬させた.この時点では液は透明である.その後,低圧下でエタノールを優先的に蒸発させることで,ゲル内部でリグニンの堆積が可能となった.この工程を繰り返すことでゲル内部に徐々にリグニンを堆積させることができ,その様子が電子顕微鏡で観察された.ゲルを使用することの利点は簡便に力学試験に供することができることであり,ゲル中のリグニン量と引張特性の関係が明らかになった.また,リグニン量の増加とともに,ゲルの含水率が低下することも確認されている.同時に,本実験によって樹木の成長応力発生要因の一つとされるリグニン膨潤仮説についても重要な示唆が得られた,

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

CMFゲルの作製法はすでに確立済みであった.本研究では人工木化の反応液にエタノールを加えることが重要となるが,水とエタノールの最適な比率を見つける必要があった.様々な比率を検討することで,減量が溶解し,かつ,巨大なリグニンを形成しない比率が明らかとなった.また,引張試験を行うにあたり最適なゲルの厚さも明らかとなり,CMFゲルの人工木化と引張試験における基本的な条件は揃った.しかし,本来ならリグニン量とゲルの諸性質について詳細な関係を把握する予定であったが,実験補助を十分な期間確保することが困難であったため,数点の関係を調べるに留まった,

Strategy for Future Research Activity

今後は,まず上記実験のデータ数を増やすことで,木化がCMFゲルに及ぼす力学的寄与を明らかにすることである.特に,木化によりゲル含水率が低下することで引き起こされる物性の向上と,木化自身が引き起こすゲル物性の向上をはっきり分けて把握することが重要となる.加えて,CMFにグルコマンナンまたはキシラン(またはその両方)を複合化し,同様の人工木化実験を行う.そのための,ヘミセルロース複合化条件を確立しなければならない.

Report

(1 results)
  • 2021 Research-status Report

URL: 

Published: 2021-07-13   Modified: 2022-12-28  

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