ミトコンドリアを欠失させた真核細胞の構築とその分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
21K19204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 43:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高橋 康弘 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10154874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 由実 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80268193)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 鉄硫黄クラスター / 鉄硫黄タンパク質 / 出芽酵母 / ミトコンドリア |
Outline of Research at the Start |
本研究では、出芽酵母のサイトゾルにおけるFe-Sクラスター生合成系や硫黄供給系を操作することによって、ミトコンドリアの必須性を回避し、このオルガネラを人工的に欠失させる計画である。真核細胞におけるミトコンドリアの重要性を包括的に解明するとともに、このオルガネラを人為的に操作する道を拓く。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、バクテリアのFe-Sクラスター生合成系であるNIFマシナリーを酵母のサイトゾルで発現させた後に、ミトコンドリアISCマシナリーの必須成分であるJAC1とNFS1遺伝子の破壊を試みたところ、前者は破壊できたが、後者は破壊できないという結果になった。本年度、その要因を探るために種々の検討を行ったところ、JAC1遺伝子は、嫌気的な条件下であれば、NIFマシナリーの有無に関わらず破壊できることが判明した。一方、NFS1はシステイン脱硫黄酵素として、ミトコンドリアのFe-Sクラスター生合成系に硫黄を供給するだけでなく、サイトゾルや核のtRNA硫黄修飾系にも硫黄を供給することが知られている。そこで、ミトコンドリアへの移行配列を除去したNFS1のコピーをNIFマシナリーと共に酵母のサイトゾルで発現させ、ミトコンドリア型の正常なNFS1遺伝子を破壊するという実験を進めたが、これまで成功していない。 そこで、別のFe-Sクラスター生合成系であるSUFマシナリーを酵母のサイトゾルで発現させた後に、NFS1遺伝子の破壊を試みたところ、この遺伝子の破壊株を初めて構築することができた。今回導入したSUFマシナリーは、嫌気条件下で遊離のS2-を硫黄源として機能するタイプを用いたが、得られたNFS1破壊株の表現型は、導入したSUFマシナリーの特性に合致していた。さらに、破壊株の表現型から、ミトコンドリア内のFe-Sタンパク質群(グルタミン酸合成酵素など)は機能していないが、サイトゾルや核のFe-Sタンパク質群は正常と推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SUFマシナリーを酵母のサイトゾルで発現させることによって、遂に、酵母のNFS1遺伝子を破壊することができた。すなわち、サイトゾルに導入したSUFマシナリーによって、ミトコンドリアISCマシナリーの必須機能をバイパスすることができたと考えられる。このISCマシナリーは、出芽酵母のミトコンドリアにおいて、唯一の必須機能と言われている。ミトコンドリア全体の機能をもバイパスできるのではないかという可能性が、いよいよ現実味を帯びてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
出芽酵母に導入したSUFマシナリーがサイトゾルで機能していれば、ミトコンドリア全体が無くても生育できる可能性がある。ミトコンドリアタンパク質の99%は核にコードされ、サイトゾルで前駆体タンパク質として合成された後に、ミトコンドリア内に輸送されることが知られている。そこで、輸送経路で中心的な役割を果たしているTIM23の遺伝子を欠失させることができれば、ミトコンドリアはいずれもぬけの殻となり、最終的にミトコンドリアそのものを欠失できるのではないかと考えられる。今後は、SUFマシナリーを発現させた出芽酵母株で、TIM23遺伝子の破壊に挑戦する。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)