寒冷応答miRNA発現プロファイルによる凍死診断の革新的アプローチ
Project/Area Number |
21K19653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan (2022) Nagasaki University (2021) |
Principal Investigator |
梅原 敬弘 産業医科大学, 医学部, 准教授 (60617421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 壮彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40823315)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
佐藤 寛晃 産業医科大学, 医学部, 教授 (50441845)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 低体温 / microRNA / 診断マーカー / 恒常性維持 / 恒常性 |
Outline of Research at the Start |
これまで申請者は、凍死特異的に変動する多数のmRNAを見出したが、法医実務への応用において、外部環境変化に伴う死後変化の影響を受けるmRNAは、死亡時の状態を反映していない可能性が示唆された。そこで、死後変化に耐えうる分子として、microRNA(miRNA)に着目し、恒常性維持関連組織である視床下部・腸腰筋・褐色脂肪(複合組織)における体温依存的miRNA-mRNA発現制御機構を解明、凍死特異的miRNA/mRNAを同定、実症例複合組織における発現検討を行い、体系的miRNA/mRNA発現プロファイルを用いた凍死の革新的な法医分子病理学的診断法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
凍死における従来の診断は、寒冷暴露により生じるいくつかの所見を組み合わせることで行われてきた。しかし、これらの所見は、一酸化炭素中毒など凍死以外の死因でも認められるため凍死特異的な所見ではない。従って、低体温の分子メカニズムを解明し、凍死診断を補完するための新規分子マーカーを同定することが重要である。そこで本研究は、低体温の分子メカニズムを解明するために、恒常性維持に重要な役割を果たす腸腰筋に着目し、軽度・中等度・重度の低体温ラットモデルを作製し、マイクロアレイ及び次世代シーケンシングを駆使して、体温依存的microRNA(miRNA)及びmRNAの網羅的発現解析及び機能解析を行なった。その結果、miR-203a-3pの発現は、体温の低下に伴い減少し、また、TargetScanによりmiR-203a-3pの発現制御を受けることが予測されたSocs3の発現は、重度の低体温によってのみ有意に増加した。ルシフェラーゼレポーターアッセイは、Socs3の発現がmiR-203a-3pによって調節されていることを示唆した。以前の報告において低体温下で発現減少を示したMex3BとSocs3のsiRNAを用いた発現抑制検討は、Mex3Bの抑制がSocs3発現を誘導し、その後腸腰筋細胞のCaspase活性とATPレベルを変化させることを示唆した。これらの結果は、体温低下に伴いmiR-203a-3pとMex3Bの発現レベルが低下し、それによってSocs3発現が増加することで、腸腰筋細胞のアポトーシスが抑制される可能性があることを示した。従って、miR-203a-3p-Socs3-CaspaseまたはMex3B-Socs3-Caspase軸は、極度の低体温下で恒常性を維持するための生体防御反応の一部であること、またSocs3 は凍死診断を補完するための新規分子マーカーになりうる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた実験は、おおむね順調に進展しており、来年度に予定していた実験の一部を行うことができた。しかし、剖検症例の集積がやや遅れているため、全体としては概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現解析ソフトを駆使してmiRNA及びmRNA相関検討を行い、mRNAがmiRNAに制御されている可能性を検証する。相関が認められた遺伝子から随時、分子生物学的手法を用いて、低体温動物モデル及び実症例におけるmiRNA及びmRNAの発現データ解析を実施し、低体温の分子メカニズムを捉える。研究計画は順調に進展しているため、研究計画に特別な変更などはないが、検体の集積においては、他機関(他大学法医学教室)への協力を仰ぐことを考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)