Project/Area Number |
21K19817
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 62:Applied informatics and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅谷 公威 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (70770395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90555682)
門間 卓也 関西学院大学, 文学部, 研究員 (90868291)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 複雑ネットワーク / サイエンスオブサイエンス / 政策の科学 / science of science / 歴史学 / 計算社会科学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は書誌情報データベースScopusの7000 万件の論文書誌情報より、歴史学における概念形成、その過程における周辺分野との影響 関係の分析を行う。具体的には、歴史学/周辺分野における重要概念を自然言語処理により抽出し、分野間や研究者間の概念の伝播を時系列ネットワークとして構造化する。これらの分 析により、年代ごとの歴史学のコアとなる重要概念、それらが形成される過程での周辺分野との参照関係、さらに中心的研究者、コミュニティの果たす役割をネットワーク理論の 観点から解明する。以上の手法による分析は、歴史学の重要概念およびその形成過程の理 解のための定量的視座を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
科学者の研究テーマの選択が業績やキャリアに与える影響を探求し、情報、資金、設備の平等なアクセスにもかかわらず、国ごとの科学的進展に不均等が存在することを明らかにすることを目的としています。Scopusデータベースの7100万件の論文を用いて、各国の研究テーマの進展を文献リストの時系列比較を通じて定量化しました。その結果、西洋諸国やアジアの都市国家と他国の間で一貫した先導・追従関係を分析しました。
また、Science of scienceの日本の研究者を集めて情報交換するため、Science of science研究会を開催しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究では、科学者の研究テーマの選択が業績やキャリアに与える影響を探求し、情報、資金、設備の平等なアクセスにもかかわらず、国ごとの科学的進展に不均等が存在することを明らかにしました。Scopusデータベースからの7100万件の論文を用いて、各国の研究テーマの進展を文献リストの時系列比較を通じて定量化しました。その結果、西洋諸国やアジアの都市国家と他国の間で一貫した先導・追従関係が明らかになりました。 主な発見は次の通りです:先導・追従関係:西洋諸国とアジアの都市国家が他国に先んじて研究テーマに取り組む傾向があることを明らかにしました。例えば、中国と日本は、米国や英国が以前に研究していたテーマに取り組むことが多いです。トピック進展指数(TPI):国間の比較を蓄積することで、TPIが長期的な先導・追従関係を測定し、西洋諸国とアジアの都市国家が一貫して研究テーマの革新をリードしていることを明らかにしました。情報豊富な科学者の役割:共著ネットワークにおいて高い固有ベクトル中心性を持つ科学者(情報豊富な科学者)が、研究テーマの進展において重要な役割を果たしていることを明らかにしました。これらの科学者は通常、西洋諸国に拠点を置き、最先端の研究に従事し、頻繁に引用されます。各国におけるこのような科学者の割合が、研究テーマの進展と強く相関していることを明らかにしました。 この研究は、国際的な共著の促進、優秀な科学者の誘致、科学者の海外経験の奨励といった国家の研究戦略が、科学研究とイノベーションの成功に重要であることを支持しています また、Science of science研究会を主催しました。https://sciscijp.github.io/scisciconfJP2024/
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、今回の研究で得られた知見を歴史学や社会科学に適用し、学問分野間の先導・追従関係を明らかにすることを目指します。まず、歴史学においては、特定の歴史的事件や思想が異なる国や地域でどのように受け入れられ、発展していったかを時系列比較により定量的に分析します。具体的には、歴史的文献や学術論文の引用データを収集し、各国の研究テーマの進展を追跡します。この方法により、例えばルネサンスや啓蒙主義がどのように広がり、影響を与えたかを明らかにします。
社会科学においては、経済学、社会学、政治学などの分野で、先進国と新興国の間の研究テーマの流れや影響関係を分析します。例えば、経済学における新しい理論や政策提言がどの国から発信され、どのように他国に影響を与えたかを探ります。これにより、各国の研究戦略や政策決定におけるグローバルな知識の流れを理解し、効果的な研究推進方策を提案することが可能となります。この研究は、異なる学問分野間の知識の伝播と進展を理解し、学際的なアプローチの重要性を示すものであり、歴史学および社会科学の発展に寄与することを期待しています。
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